日本人のアートとの付き合い方は「世界の非常識」

資産設計実践会メンバーと世界的なオークションハウスであるクリスティーズの香港オフィスにやってきました。日本オフィスの大胡さんに案内してもらい、オークションの下見会に参加しました。

数日後に開催されるオークションに、私も参加してみようと思っていますが、海外ではアート作品に対する考え方が、日本とはずいぶん違います。

日本人はアート作品を美術館で鑑賞するものだと思っています。しかし、海外では自分で保有して、投資対象や資産の保全方法になっています。

つまり日本人のアートとの付き合い方は「世界的には非常識」なのです。

香港のクリスティーズの下見会では、日本の有名作家である奈良美智、草間彌生、村上隆の作品も展示されて、作品紹介に予想落札価格も書かれています。

作品によっては、100万円前後で落札できそうなものもあり、オークションといっても超富裕層だけのものではないことがわかります。実際、下見会には若い女性グループも多く、単に鑑賞するだけではなく、自分が購入することを前提に真剣に作品を見ています。

私も数日後に開催されるオークションに入札する作品をどれにしようか考えながら、真剣に作品と向き合いました。

アート作品という芸術に値段をつけると不謹慎だと思っている人もいるかもしれません。しかし、模試アートが経済的価値を持たなければ、アーティストはパトロンに養ってもらうしか生活する方法はありません。

優れた作品がマーケットで売買され、その価値が上がっていくことでアーティストは豊かになります。それによって新たな創作活動することができる。そのほうが健全な姿だと思います。

一緒にスタディツアーに参加している資産設計実践会メンバーの中には、今回のクリスティーズオークションに一緒に参加し、アート作品を資産ポートフォリオの中に組み入れる人が出てくるはずです。

そんな風に、日本人もアート作品との付き合い方を変える時期に来ているのです。しかし、残念ながら日本にいるだけでは、そのような発想はなかなか生まれません。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2019年3月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。