JAPAN DENIM:備中備後から日本のデニムを世界へ

小林 史明

地元の皆さんはよくご存知かと思いますが、私の地元、福山は古代吉備国と言われる地域が7世紀後半に備前国、備中国、備後国に三分され、江戸時代には備後福山藩となり、明治維新後の廃藩置県に伴って、その東南部である現在の福山市を県庁とした福山県とされるまで、「備後」と呼ばれていました。

その後の紆余曲折を経て、1876年に広島県へと編入されたわけですが、実際に広島県に来ていただくとわかるように、広島市まで高速道路を使っても1時間超かかる距離にあり、文化や経済圏は広島と岡山が混ざったようなところがあります。

デニムと備後の関わりは、福山藩の初代藩主である水野勝成公によって、福山の沿岸部一帯で棉花の栽培が奨励されていたところから、備後絣と呼ばれる藍染めの織物が生産されたことに始まります。一方で、お隣備中では藍の栽培から藍染厚地織物の生産が始まりました。

そして昭和に入り、ジーンズの人気が高まるにつれ、元々持っていた染色や織物の技術を生かしてデニムの生産にシフトしたことが、備中備後と呼ばれる地域でデニム生地の生産が盛んな背景です。福山が誇るデニムブランド、カイハラデニムは国内トップシェアで、国内外のファッション業界では非常に知名度が高いブランドです。

福山市は製造業や物流が地域の産業をリードしていますが、いわゆるB to B 事業が主流です。一般消費者の日常生活に目に見える産業は多くないのですが、デニムは皆さんが日々接するもので最も身近な福山の産業と言えるかもしれません。

先週から東京・銀座のGINZA SIXで、その備中備後のデニム生地や関連技術を使ったファッションのポップアップストアが展開されています。地元のデニム関連産業と国内外のデザイナーを、備後発祥のセレクトショップ PARIGO がマッチングし、JAPAN DENIM という統一ブランドで世界にも売り出します。

これまでも福山のデニムは国内外の有名ブランドの生地や縫製を請け負うなど、高い技術で大きくシェアを伸ばしてきましたが、デザインやマーケティング、情報の発信など、ブランディングが少し苦手でした。

日本各地には同じような背景で縁の下の力持ちになっている地域の資産がたくさんあります。今回のようにデザインの力やマーケティングのノウハウで時代に合った形に変えれば、地域の産業も付加価値がつき、より魅力あるものへと進化することができます。

政治家になって以来、なかなかジーンズを履く機会が少なくなったのですが、休日に出かける時や自宅でリラックスるす時はやはりジーンズが最高です。ポップアップストアは今月いっぱいやっています。私もオープニングレセプションに行ってジーンズや小物を買いました。皆さんもぜひ足を運んで、色々試してみてください。

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小林 史明  衆議院議員(広島7区、自民党)

自民党青年局長代理、行政改革推進本部事務局長。 電波、通信、放送政策、海洋水産政策、社会システムのデータ、標準化に取り組んでいる。2007年上智大学理工学部卒業後、NTTドコモに入社。2012年の衆院選で自民党から立候補し、初当選。第3次、4次安倍改造内閣にて総務大臣政務官(情報通信、放送行政、郵政行政、マイナンバー制度担当)。公式サイト。LINE@では、イベントのおしらせや政策ニュースをお届けしています。登録はこちら


編集部より:この記事は、衆議院議員、小林史明氏(自由民主党、広島7区)のオフィシャルブログ 2019年4月5日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は小林史明オフィシャルブログをご覧ください。