オープンデータ勝手表彰2019

第7回目の表彰となります。
これまで最優秀賞は、鯖江市(自治体)、地域連合、東京メトロ(公営企業)、トヨタ(民間企業)、官民データ法(国会)、総務省(政府)という顔ぶれ。広がってきました。
そろそろオープンデータの具体的成果も問われるようになってきました。

当初はデータをオープンにするだけでホメられていたものが、実際に使われ、喜ばれているという実態を見せるようになりました。
オープンデータと民間データが組み合わされてサービスを提供する事例も増えてきました。

今年から域内市町村のオープンデータが100%に達した県を表彰する「コンプリート賞」をスタートしました。
福井県、京都府、青森県が受賞しました。これもまた成果です。
岡山、松山、福井、大阪、京都、岡崎、愛知、川崎、東京、秋田、青森。
今回はローカル案件が多く、遠くから授賞式にお越しいただきました。

そして顔ぶれをみるに、企業、自治体、政府、図書館などいろいろある中で、大学・学校がいないんですよ。
産官学の「学」が弱いんですかね。
ぼくも表彰ばかりしていないで、自分ががんばらねばと恥じる次第です。
iUもオープンデータ、がんばろう。

毎年同じことを申し上げていますが、これは勝手に表彰するものでありますので、受賞者のみなさんには「おめでとう」ではなく、受賞してくださって「ありがとう」と申し上げています。
ありがとう。
各受賞は以下のとおりです。
ありがとう。

最優秀賞
Sujiya Systems:ダイヤ編成支援システム「その筋屋」
バスダイヤ編成システムから、自動的に標準化されたオープンデータが出力できるというもの。
オープンデータ化作業が不要で、担当者の負担軽減や標準フォーマットの普及が期待できます。
岡山発です。

優秀賞1
3D City Experience Lab:3dcel.
渋谷周辺の地上・地下の精細な3Dデータの公開。ライゾマティクスもチーム員です。
現在進行形で変化している地域のデータは、後にアーカイブとして貴重なものになると思われます。
ぼくもWIREDでお話しました。
https://3dcel.com/scope/case01/

優秀賞2
Mokuba:省庁横断の報告書検索サービス「CLIP」
総務省など官庁のかたによる個人レベルでの自作。検索可能な報告書が拡充され、検索機能も向上すると、とても便利なサービスになるでしょう。相当ニーズはあります。

優秀賞3
アクトインディ株式会社:子どもとお出かけ情報サイト「いこーよ」
子どもをもつ親の8割が使っているサービス。ユーザ数6000万人。既に成立しているサービスにオープンデータを追加することでサービスを向上。民間と行政メリットがうまくマッチ。ユーザデータを使って自治体にさまざまな提案もしているとのことです。

優秀賞4
ダッピスタジオ合同会社:まちもん/FixMyStreet Japan
市民と行政が協力し、道路の破損、落書き、街灯の故障、不法投棄などの地域・街の課題をスマホを使って解決・共有していくための仕組み。日本のオープンガバメント推進の先駆者として、忍耐強い市場開発の成果を賞賛する声が高い。

CiP協議会賞
内閣官房IT総合戦略室:オープンデータ官民ラウンドテーブル
各社と協力し、関係省庁を巻き込んで企画運営してきた内閣官房IT室を民間団体として表彰しました!
上からなのか下からなのか!!
(副賞は辞退)

ニューメディアリスク協会賞
さくらインターネット株式会社:平成30年度政府衛星データのオープン&フリー化及びデータ利用環境整備事業
さくらさんが大容量の衛星データを使いやすい形でオープン化。宇宙データプラットフォーム事業という名称も今後の展開にさらなる期待が持てます。
副賞はオーブントースター。炎上協会から、炎上するなと。

融合研究所賞
東京都水道局:東京都水道局オープンデータ化
都単位でのオープンデータにも関わらず、総費用はたった数万円程度と伺っています。オープンデータ化の取り組みはお金ではなく、オープンな気持ちから始まることを示してくれた素晴らしい取り組み。
副賞は伊達ウィスキー+シャアマグカップ。Data、Share。


編集部より:このブログは「中村伊知哉氏のブログ」2019年4月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はIchiya Nakamuraをご覧ください。