他人の言動にイライラしないための心の持ち方

こんにちは!黒坂岳央(くろさかたけを)です。
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「日本人はパーソナルスペースが広く、他国に比べてイライラしがちだ」と意見を展開しているのを目にしました。海外と比較したデータは見つけられなかったので、「日本人はイライラする国民性だ」と断言することは私には出来ませんが、「世の中には不機嫌な人は多い」という印象を個人的に持っています。

写真AC:編集部

私は昔、とにかく他人の言動にイライラしていました。失礼な言動や、差別的な発言、店員さんのぶっきらぼうな対応に、いちいちイライラしていたのです。しかし、今はまったく他人の言動にイライラする事はなくなりました。今回は思わずイライラしてしまう、他人の言動をスルーするための心の持ち方をご紹介できればと思います。

他人にイライラする時、あなたは人をコントロールしようとしている

他人にイライラを感じる気持ちは、「相手を変えよう」としている時に沸き起こります。自分の中に「店員さんはお客さんに笑顔で丁寧に接客するべきだ」という価値観を持っていて、それが侵害され尚且つ自分が相手を変えうる立場に立たされている時に限り、人は他人にイライラを感じるのです。

ですので、相手を容易に変えられる対象には、よりひどいイライラを感じるという特性を人は持っています。例えばどれだけ心穏やかな人でも、自分の子供が思うように動かないと思わずイライラしてしまうのです。なぜなら自分の子供は、自分自身の言動により言うことを聞かせることができるからです。

でも怖い上司から理不尽な態度を取られても、イライラするというより、恐怖や悲しみを感じることの方が多いのではないでしょうか。それは怖い上司は、自分ではどうすることも出来ない相手だからです。

他人にイライラするのは、「相手を変えたい。コントロールしたい」と思っている時です。外国人がやってもイライラしないことも、日本人だとイライラしてしまったり、またより親密な関係の相手がやるとよりイライラしてしまう理由は、相手をコントロールできると思っているからなのです。

他人は変えられないし、変える必要もない

しかし、ここで冷静になって考えるべきは、そもそも相手をコントロールするべきか?という問題です。「自分の事を分かってくれているのだから、このくらいやってくれてもいいじゃないか?」と相手への期待値が高すぎて、それが思うように履行されないでイライラしてしまう人がいて、そういう人の気持ちはよく理解できます。

しかし、他人は自分と別の個性を持った違った個体です。たとえ同じ環境で育った兄弟でもまったく性格が異なるケースはいくらでもありますから、それが血の繋がっていない他人であれば、相手を自分の思うように支配できると期待する発想にこそ、ムリがあると私は思ってしまうのです。

ですので、気心の知れた友人でも家族でも「相手は自分とは違う個性を持っているのだ」と理解した瞬間、私はまったくイライラする事がなくなりました。親友や家族にもイライラしなくなりましたから、他人にはよりそのような気持ちで接することができるようになったのです。たとえ店員さんの態度が悪くても、取引先に冷たい対応をされても何も感じません。

数多ある行動の選択肢の中であえてそのような行為を選んでいるのはその人の価値観です。相手に悪印象を与える態度を取ってしまうと、信用経済下においては信用を失って損をするのは自分自身です。それを認識しているかどうかは分かりませんが、その人は何かしらそのような行動に駆り立てる原動力があってその選択しているわけで、こちらには関係がない話なのです。

こういうと冷たいと感じられるかもしれませんが、本質的に他人は変えられません。そして相手を自分とは別人格の一人の人間、と考えるならばそもそも変える必要もないのです。

「こうあるべき」という信念を押し付けない方が楽に生きられる

正義感の強い人ほどよくイライラしているのではないでしょうか。そうした人は「世の中はこうあるべきだ」という強い信念を持っています。ある新聞の投書で「若者が電車の中で足を広げている事にイライラして、投げ出した足を蹴ったら殴られた」と怒り心頭の中年男性の声がありました。おそらく、とても正義感の強い方なのでしょう。しかし、正義感を奮って世直しをするのはキリがありません。

年間約100万人の新生児が生まれ、3000万人の外国人観光客が来ているという事実があります。その一人ひとりに自分の正義を訴えても、3時間後には忘れ去られているでしょうし、なんせ人はあまりにも多く存在しています。さらにその正義感も、相手にとっては正義と感じられていない可能性もあるのです。もちろん、正義感を持つことは間違いとは思わないのですが、「こうしなさい」と相手にその信念を訴えてイライラする気持ちを抑えることは、賢明なやり方ではないと思ってしまうのです。

私の心の持ち方に対して、ある種の冷たさを覚えられる方もいるかもしれません。しかし、「他人は自分とは違った個性を持つ別人格である」ということを心底理解できれば、イライラせずに「相手は相手、自分は自分」と割り切った気持ちを持つ方が心の平穏さを保つ事ができます。少しでも参考になれば幸いです。

黒坂 岳央
フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」 代表

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。