こんにちは、東京都議会議員(町田市選出) おくざわ高広です。
今日4月30日が、平成最後の日ということで、改めて私のビジョンについて書いておこうと思います。
私が目指す社会は、
誰もが産まれてきて良かったと思える社会
です。このビジョンを語ると、「あなたは福祉政策をやりたいのね」とおっしゃる方がいるのですが、全然違います。障害の有無や性別、年齢に関わらず、イキイキと幸せに暮らしている方もいれば、そうでない方もいます。お金がないと嘆く方がいる一方で、お金はあっても愚痴ばっかり言っている方もいます。
私なりに分析していくと、「幸せ」の尺度は「自分らしさ」と密接であり、「自分らしさ」は「好き・嫌い」に色濃く表れていると考えています。
つまり、自分の好きなこと(から派生したこと)を仕事にして、一定の収入を得て、好きな人たちやモノに囲まれて暮らしていくことができたら、本当の意味で幸せな人生なのではないかと考えており、誰もが幸福な人生を歩めるようにとの願いを「誰もが産まれてきて良かったと思える社会」という言葉に込めています。
一方で、「自分らしく」生きていくには沢山のハードルが存在します。車イス生活者にとっての道の段差、女性は家にいなさいという昔ながらの価値観、失敗からのやり直しを許さない風土、結婚は男女でしか認めないという法律、学びの機会に差を生じさせる親の経済格差、目に見えるものから見えないものまで様々です。私は、このハードルをなくし、誰にも等しく機会が与えられ、個々の人格や能力(個性)が公正に評価される社会を目指しています。福祉、医療、教育、経済、社会保障。制度だけでなく価値観の転換も重要な要素です。
※もちろん、自分らしく生きることと自分勝手に生きることは全くの別物です。自分らしく生きるためには、逆説的ですが、他者の生き方を尊重することが必要不可欠と考えています。
私一人の力では、到底たどり着くことができません。だからこそ、政治の在り方を変えなければならないと強く思っています。先日の統一地方選挙後半戦では、東京都内46区市町村議選では、400人の女性候補者が当選し、その割合は前回(2015年)より約3ポイント高い30%となるそうです(朝日新聞:都内の女性当選者の割合30%に、トップは東村山)。また、東京23区において、国政政党に属さない候補者(無所属or地域政党所属)が160人以上当選しており、前回より5%ほど高い20%となります(奥澤調べ)。
「誰もが産まれてきて良かったと思える社会」
を実現するためには、
「多様な人材が、自分らしく働くことができる議会」
が必要であり、
議会の慣習に過度に合わせたり、過度に尖ったキャラづくりをしたりせずとも、
「選挙でお約束したことを政策実現できる力と仲間」
を手にすることができるネットワークを整える必要があり、
まずは、
「実現したい政策や志と行動力があれば、誰でも政治家になることができる」
ことを証明したいと考え、無所属・新人、中でも女性候補者を強く応援させていただきました。
無所属、新人、短い活動時間(子育てと両立)。
これが超無謀な挑戦だったことも、彼女の当選が次なる希望を生むことも、本人はまだ気づいていない。
この統一地方選では、数多くの女性議員、無所属議員が誕生しました。誰にでも政治を通じて社会を変えるチャンスがあることを示してくれたものと考えており、当落に関わらず、勇気をもって挑戦した全ての候補者に感謝したいと思います。
そして、これまでの男性中心、政党主導の政治に一石を投じたのは、紛れもない有権者の皆様です。皆さまのご英断にも感謝申し上げます。ありがとうございました。
投票率が下がり続けている昨今ですが、もし、今回投票に行かなかった方々が投票に行ったら、どれほど大きな変化が起きるのだろうとワクワクしてしまいます。
しかし、本当の勝負はここから。政策実現という結果を出せなければ、すぐに忘れ去られてしまいます。また、議会の同調圧力は半端じゃないので、気づけば自分も古い議員の一人になっていた、なんて笑い話にもなりません。(私も含め)無所属でも、少数でも、1期目でも、結果を残せるように。行政と対峙できる知識やデータの取得、政策実現のためのノウハウ共有、価値観やライフスタイルを尊重し合える仲間づくり、3つを同時に叶えるコミュニティづくりにも取り組んでいきたいと思います。
明日から「令和」が始まりますが、その次の東京を見据えた政治改革を今から始めます。引き続きのご指導・ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
編集部より:この記事は、東京都議会議員、奥澤高広氏(町田市選出、無所属・東京みらい)のブログ2019年4月30日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおくざわ高広 公式ブログ『「聴く」から始まる「東京大改革」』をご覧ください。