退位礼正殿の儀における陛下のお言葉など(速報)

八幡 和郎

天皇陛下は30日午前10時すぎ、陛下は黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)に身を包まれて賢所で「退位礼当日賢所大前の儀」に臨まれ、皇居の宮中三殿で皇室の先祖や神々に退位の儀式を行うことを報告され、最後の宮中祭祀を終えられた。

NHKニュースより:編集部

そして、午後5時からは、「退位礼正殿の儀」に臨まれた。こちらは洋式の礼服であった。

まず、安倍首相から国民を代表しての感謝の言葉があった。以下の通りである。

天皇陛下におかれましては、皇室典範特例法の定めるところにより、本日をもちましてご退位されます。

平成の30年、「内平らかに外成る」との思いの下、私たちは天皇陛下と共に歩みを進めてまいりました。この間、天皇陛下は、国の安寧と国民の幸せを願われ、一つ一つのご公務を、心を込めてお務めになり、日本国および日本国民統合の象徴としての責務を果たしてこられました。

わが国は、平和と繁栄を享受する一方で、相次ぐ大きな自然災害など、幾多の困難にも直面しました。そのようなとき、天皇陛下は、皇后陛下とご一緒に、国民に寄り添い、被災者の身近で励まされ、国民にあすへの勇気と希望を与えてくださいました。

本日ここにご退位の日を迎え、これまでの年月を顧み、いかなるときも国民と苦楽を共にされた天皇陛下のみ心に思いを致し、深い敬愛と感謝の念をいま一度新たにする次第であります。

私たちは、これまでの天皇陛下の歩みを胸に刻みながら、平和で、希望に満ちあふれ、誇りある日本の輝かしい未来を創り上げていくため、さらに最善の努力を尽くしてまいります。

天皇皇后両陛下には、末永くお健やかであらせられますことを願ってやみません。

ここに、天皇皇后両陛下に心からの感謝を申し上げ、皇室の一層のご繁栄をお祈り申し上げます。

ついで、陛下から次の言葉があった。

今日(こんにち)をもち、天皇としての務めを終えることになりました。

ただ今、国民を代表して、安倍内閣総理大臣の述べられた言葉に、深く謝意を表します。

即位から三十年、これまでの天皇としての務めを、国民への深い信頼と敬愛をもって行い得たことは、幸せなことでした。象徴としての私を受け入れ、支えてくれた国民に、心から感謝します。

明日から始まる新しい令和の時代が、平和で実り多くあることを、皇后と共に心から願い、ここに我が国と世界の人々の安寧と幸せを祈ります。

安倍首相が、「皇室典範特例法の定めるところにより」としたことについては、一部の人から文句があるかもしれないが、即位に際しての朝見の儀において、「日本国憲法及び皇室典範の定めるところにより,ここに,皇位を継承しました」と仰ったことと対を成すものであり、ほかにありえようはずもない。

陛下のお言葉は短いものだが、陛下の儀式における言葉の標準的な長さであって、これも特別のことではない。

NHKの放送では、秋篠宮殿下と親しい橋口和人キャップからスポークスマンらしい解説があったが、それはのちほど、分析して解説する。

また、保坂正康氏から、平成の御代にあって陛下の活動が平和維持におおいに貢献したといった解説が、陛下とのやりとりを含めていろいろ披露されたが、陛下とのやや政治的な発言を含むやりとりをオープンに勝手にしていいものか、かなり強い疑問をもった。

のちほど、追記を書く。