「働かずに生きていく」は本当に幸せなのか?

こんにちは!黒坂岳央(くろさかたけを)です。
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「働かずに生きていきたい」という夢は、多くの人が持っていることでしょう。かくいう私も昔はそんなことをずっと考えていました。なぜなら「仕事=苦痛」であり、「給料=仕事のガマン料」と考えていたからです。

しかし、人生経験を経て、今ではまったく異なる考え方をしています。

acworks/写真AC:編集部

働かなくても良い人達こそ、猛烈に働いている

私の2冊目の著書、『年収1億円超の起業家・投資家・自由業そしてサラリーマンが大切にしている習慣“億超えマインド”で人生は劇的に変わる! 』では、実際に公私共にお付き合いのある「年収一億円超の富裕層」の思考や行動を紹介しています。

この本で登場する人たちの中には投資家や資産家もいます。彼らは自分が働かなくても、お金がお金を生み出し続ける仕組みを持っています。が、本の中で紹介している通り、彼らは誰よりも一生懸命毎日働いています。それも一日の大半を、時間を惜しんで働いているのです。

「働きたくないな。できれば働かずに生きていきたい」と思っている人は少なくありませんが、実は働かずに生きていける人たちこそ、誰よりも働いているという現実があります。

「働く」という定義

ここで改めて「働く」という定義を語っておきたいと思います。働くというのは、顧客がいて価値の提供をする代わりに金銭を受け取る行為に他なりません。ですので、炎天下で道路工事をして汗水たらして頑張ることも、ファンの前で好きな歌を歌ってチケット代を稼ぐ行為も等しく、「働く」ということを意味します。

よく、「YouTuberは遊んでお金を稼いでけしからん」というオジサンがいますが、そのように主張する人たちの「働く」という定義は誤っています。働いている本人が義務感で動いても、心から楽しんでいても、結果として顧客に価値提供をしてお金を受け取っている限りにおいては、それは「働く」ということなのです。

前述した富裕層たちが働いている、というのは汗水たらして頑張るというより、自分たちの事例を他者へ啓蒙したり、指南することで価値提供をしながら楽しんで働いているということです。

自分のためより、他人のため

人間はどこまでいっても、社会的な動物です。「人は一人では生きられない」という言葉がありますが、人は自分自身のための行動で得られる幸福度はすぐに限界にぶつかってしまいます。そうではなく、他人の幸せのための行動で得られる幸福度の方が、圧倒的にその深度は高いのです。

「他人の幸せのために自分にできることを提供する」、これを仕事と定義するなら、人は仕事無しでは生きられないといっていいでしょう。たとえ現金を受け取ることのないボランティアや主婦業も、「相手からの感謝を集める」、という点では仕事と言って差し支えありません。

宝くじで1等を当てて、山奥にこもる生活を送って幸せになれる人は極めて例外的です。ですので、働かずに生きていける状態でも、人は幸せのために働くというのが私からの答えです。

「働かずに生きていきたい」というのは、正しい表現ではありません。そうではなく、「自分が嫌な仕事で、働かずに生きていきたい」というのが正しい表現だと思います。生きるために働くのではなく、楽しむために働き、その結果お金をもらって生きていけるというのが理想的な人生ではないかと思っています。

黒坂 岳央
フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」 代表

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。