今回は、『1日の仕事を3時間で終わらせるダンドリ術』(山本憲明【著】、フォレスト出版)を紹介したい。山本さんは、「仕事が速い人」ほど、仕事をどんどん捨てていると指摘する。どのようなことなのか解説しよう。
(山本さん)「皆さんは『仕事が速い人』について、どのようなイメージをお持ちですか?『膨大なタスクをすごいスピードでこなしていく』というイメージをお持ちの方が多いかと思います。すごいスピードで仕事をこなしている人には、さらに多くの仕事が降りかかってくるものです」
(同)「そうするとその増えた仕事を、またスピードを上げてこなさなければならず……ということが続いて、いつかパンクしてしまいます。仕事が忙しくなって体調を壊してしまう人の中には、このようなパターンが多いかもしれません」
山本さんは、「仕事が速い人」は、適度に仕事を手放していると指摘する。どのようなことだろうか?次を読んでもらいたい。
(山本さん)「必要のない仕事だと判断したら、どんどん捨てていきます。世の中にはムダな仕事が多いのは事実です。会議1つとっても、間話を聞いているだけということもざらです。実質3人で済むような会議に、何人も出席していることもあります」
(同)「昔からやってきたやり方を、つづけている職場もたくさんあります。エクセルで計算できるのにもかかわらず、わざわざ手計算をしているといったケースです」
仕事を手放すことができたら、得意なことや好きなこと、あるいは自分にしかできないような仕事に集中できる。そうすれば、少ない時間で成果を出せるようになる。しかし、その状態にたどり着くには、考え方とやり方を変えなくてはいけない。
精査すれば、「どうしてもやらなくてはいけない」「やらないと困る仕事」が浮き彫りになる。そうした仕事はやることにして、それ以外の仕事は、そのまま手放せばいい。まずは覚えておきたい。「やらなくてはならない」仕事の大半は捨てても問題ない。
明日から、嫌な上司、嫌なクライアントから仕事を頼まれたらぜひ試してみよう。ですが、どのような結果になっても、自己責任にてお願いします!
尾藤克之
コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員
※12冊目となる『波風を立てない仕事のルール』(きずな出版)を上梓しました。
[本書の評価]★★★(75点)
【評価のレべリング】
★★★★★「レベル5!家宝として置いておきたい本」90~100点
★★★★ 「レベル4!期待を大きく上回った本」80点~90点未満
★★★ 「レベル3!期待を裏切らない本」70点~80点未満
★★ 「レベル2!読んでも損は無い本」60点~70点未満
★ 「レベル1!評価が難しい本」50点~60点未満
星無し 「レベル0!読むに値しない本」50点未満
※評価のレべリングについて
尾藤克之
コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員
『波風を立てない仕事のルール』(きずな出版)を上梓しました。