中国や韓国の反日路線に迎合するなど、数々の言動で炎上を繰り返している鳩山由紀夫元首相だが、今度は12日に更新したツイッターで、東京五輪に言及した際、「ノーベル平和賞を受賞した核戦争防止国際医師会議は、放射能オリンピックと命名して放射能汚染リスクの残る東京でのオリンピック開催を疑問視している」などと投稿。スポーツ紙のネットニュースでも取り上げられ、ネット上では元首相の放言に非難が集中した。
既に東京五輪のチケットが売り出されたようであるが、例えばノーベル平和賞を受賞した核戦争防止国際医師会議は、放射能オリンピックと命名して放射能汚染リスクの残る東京でのオリンピック開催を疑問視している。日本では報道されないが、欧米でこのような動きが広まってきていることは理解すべきだ。
— 鳩山由紀夫 (@hatoyamayukio) 2019年5月12日
鳩山氏が引き合いに出した核戦争防止国際医師会議は、米ソ冷戦時代の1980年、医療関係者らが核戦争を防ぐために設立した国際的NGO。1985年にはノーベル平和賞を受賞している。
そして、鳩山氏が言うように同組織が、東京五輪を「放射能オリンピック」と銘打ったのかどうかだが、それは事実のようだ。ただし、正確にはキャンペーンとして打ち出したのは、同会議のドイツ支部。昨年7月11日に「International Campaign “Tokyo 2020 – The Radioactive Olympics”」と題した声明文(英文)を公表している。
ドイツ在住の日本出身の女性が翻訳したと言う内容によると、
福島第一原発の廃墟から50キロしか離れていない福島市で野球とソフトボールのオリンピック・ゲームが催されるという計画について懸念しています。2011年に福島第一原発で起こったトリプル・メルトダウンは放射能を日本全土および太平洋に拡散しました。福島第一原発事故はチェルノブイリの核メルトダウンに匹敵するスケールの大惨事となったのです。
日々、放射能汚染が海洋、大気、土壌に追加されています。途方もなく膨大な量の核廃棄物が福島原発の敷地に野ざらしで蓄積されています。またもや地震が発生したとしたら、住民や環境が重大な危機にさらされることになります。今日もフクシマ核災害は続いているのです。
などと、放射能被害を煽り立てているのが特徴的だ。しかし、アゴラでも過去に散々指摘した通り、彼らが述べている「メルトダウン」の言葉遣いが不適切なことを一つとってみても、非常にバイアスが強い。東大在学中は工学部に学び、スタンフォードで博士号を取得。政治家になり、首相も務めた鳩山氏のような人物が、この内容を鵜呑みにして「放射能オリンピック」などと拡散することは社会的非難を浴びても仕方あるまい。
実際、鳩山氏のツイートに対しては、反安倍政権とみられるネット民が同調する意見も一部にあったが、
早く日本から出て行け。
欧米でそのような動きが広まっていれば、自国の選手は出場させないと思いますよ。
福島では、僕の従兄弟が子供や奥さんの為に今日も必死に働いてます。それが台無しになるような風評被害だったら辞めて下さい!
などと鳩山氏に反発する意見の方が多数派だった。
それにしても、日本国内の主要メディアで全くといっていいほど話題になっていなかった「放射能オリンピック」キャンペーンを、なぜ鳩山氏が唐突にツイートしたのか、その背景についても憶測を呼びそうだ。