アフターピル議論:緊急だから早ければ早いほうがいいよね

中田 宏

ここ最近、厚生労働省のオンライン診療の検討会において、アフターピル(緊急避妊薬)を解禁する方向で議論が進んでいます。

アフターピルとは、性行為後に望まない妊娠を防ぐために服用する薬のことです。

当然、私は飲んだことはありませんが、性行為後72時間以内の服用で、妊娠を高確率で防ぐことが出来るそうです。以前は服用後の吐き気や嘔吐が多かったようですが、最近はそれらの副作用が少ない薬が出ているそうです。また服用タイミングは、早ければ早いほど効果が上がるようです。

現在の日本は、少子化社会でもあるため、子供の誕生は望ましいことです。さらに、子供を望む夫婦もたくさんいるため、待機児童対策や幼児教育無償化などの政策が誕生しています。

その一方で、性暴力や望まぬ妊娠も多数あります。児童虐待は様々な要因があるため、簡単には言えませんが、親になる覚悟がないまま望まずに妊娠してしまうケースがあることも事実です。

ある試算によると、日本の性暴力被害は年間3万件で1日あたり82件です。そのうち警察に犯罪として捜査されるのは82件中たったの3件だそうです。

子供が多く生まれてくる社会のうえで、不幸な子供を減らしたい。そのためにも望まない妊娠を防ぐ対策も必要です。

そんな中、医療機関で診察を受け、 処方箋・薬をもらい服用するという通常のシステムではなく、初診以外はインターネットなどで診察を受けることが可能なオンライン診療。2015年にスタートし、2018年4月からは健康保険が適用されています。オンラインで高血圧や糖尿病の診察を受けることができますが、初診は行きつけの医療機関やかかりつけ医で診察を受けることが原則です。また他にも、直近6ヶ月間当院に毎月受診、または直近12か月間に6回以上定期的に受診している人、かつ病状が安定していると主治医が認めている人など条件などがあります。さらには、原則として30分以内に通院できる患者に限られていることなどがあります。

こうした原則に対し、アフターピルに関しては初診の対面診察を受けなくても、オンラインで診察を受けて薬がもらえるよう議論が進んでいるようです。

心に傷を負い、産婦人科に行くことさへも辛い人が、さらに自分で抱え込んでしまい妊娠してしまうことを考えれば、この議論を深めるべきだと思います。

正式決定まで、これからの議論に注目したいです。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2019年5月14日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。