まあ、丸刈穂高でしょうね
折角の大阪維新の勢いに水を差すような人だなあ、と呆れてしまった。
維新は維新でも大阪維新と国政維新は別物だ、などと橋下徹氏が嘆いていたことがあったが、ああ、こういうことだったのか、と膝を打った。
酔余の犯行、いや酔余の愚行などと言って、ささかも矮小化したり、ないことにしたりしてはいけないのだが、維新にもそれなりに頑張ってもらいたいと願っている者の一人としては、実に困ったことである。
維新のイメージを大きく傷つけてしまった。
衆参同日選挙にでもなったら、さすがの維新も苦戦するだろう。
早速議員辞職を求める声が出ているようだが、まあ、当然だろう。
もっとも、議員になる前から色々問題を起こしていた人だと指摘する声もあるから、ここは候補者選考の在り方についてそれぞれの政党で見直しを始める切っ掛けにするくらいが丁度いいのかも知れない。
アゴラの編集長が早速、いい提案をされていた。
丸刈穂高がいいんじゃないか、ということだ。
なるほど、というところである。
師匠なしで育った人が陥りやすい陥穽
国会議員の中では優秀な部類の人でしたよ、という声を聞いた。
ホントかしら、と思って経歴等を調べてみたら、問題発言はあるものの維新の中ではそれなりに目立つ存在だったことは分かる。
元官僚だったということだから、霞が関では一応通用する人材の一人だったろう。
ただし、人間を磨く修行の方はどうも疎かだったようだ。
経済産業省に3年勤務して松下政治塾に入塾したのはいいが、卒塾後直ちに結党直後の日本維新の会の支部長に就任し、大した選挙戦も経験しないで時の勢いで衆議院議員に当選してしまったのが今日の間違いの元だったようである。
酒を飲むのはいいが、酒に飲まれてしまうのはいけない。
酒の飲み方も口の利き方も碌に学んでいなかったようである。
口は結構達者だったのかも知れないが、あちらこちら足りないことばかり。
苦労知らずのところがあるから、人の感情を逆撫でするようなことを平気で口にしていたのかも知れない。
酒の上での喧嘩口論もあったようだ。若くして衆議院議員になったので、天狗になってしまっていたところもあったのだろう。
すべてが悪いわけではないが、適当な師に恵まれなかったのが、本人にとっては実に惜しいことだ。
維新に離党届を出したが、受理されず、除名ということになるそうだ。
丸刈穂高くらいでは許されない、というのが維新としての受け止め方のようである。
除名されたからといって衆議院議員の身分を失うわけではないが、ご本人にとっては人生で初めての挫折だろう。
再起できるかな?
まずは、いい師匠についてみることである。
自分を磨き直すことである。チガウダロー、という一言で衆議院議員の職を棒に振った女性と同じこと。
能力はあるのに、それを十分に活かすことが出来ないのは、つくづく残念なことである。
適当な師がいさえすれば、すべて事前に回避できたことばかり。
若い候補者を抱えている政党は、当面の選挙に勝つことを目標にするのではなく、人を育てることを究極の目標にすべきではなかろうか。
自民党然り。維新然り。立憲民主党然り。国民民主党然り。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2019年5月14日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。