韓国陸軍がこのほど標的に突っ込んで爆破するなど「ドローン」兵器の開発で最新の成果を見せつけ、日本の軍事専門家らの注目を集めている。
朝鮮日報によると、韓国陸軍が16日、ドローン兵器を公開。「監視・偵察・打撃・除毒(除染)・輸送用ドローン運用技術のデモンストレーション」(朝鮮日報)を行い、森の中に隠れた240ミリ放射砲と戦車を探知し、爆弾を投下するタイプのドローンとターゲットに突っ込んで自爆するドローンがそれぞれ標的の無力化に成功したという。韓国陸軍は昨年9月、京畿道の基地にドローンの専門部隊を設置したことを発表。第4次産業革命に対応した軍事開発の一環でドローン兵器の開発に力を入れてきた。今回のデモでは、攻撃型以外にも、化学兵器からの除染を行う機種もお披露目しており、多目的での活用が注目される。
この報道に注目した専門家の一人が、部谷(ひだに)直亮氏(慶應義塾大学SFC研究所上席所員)。部谷氏は近年、世界各国でドローン兵器の開発や活用が凄まじく進展しているトレンドを、さまざまなメディアで発表。日本の自衛隊の対応が遅れていることや、日本社会がそもそもドローン兵器の脅威を正確に認識していないことについて、度々警鐘を鳴らしている。・防衛省”北朝鮮ドローン対策”放棄したワケ ドローン攻撃を誘っているのも同然:プレジデントオンライン(2018年4月13日)
・恐怖の進化を遂げた「中国製軍事ドローン」その驚きの実態:現代ビジネス(2019年3月26日)
日本では、防衛大綱にドローンの兵器活用の潮流が取り上げられ、陸上自衛隊も複数機保有。昨年の北海道地震の際に被害状況の把握で活用し、今年に入ってからは、隊員が職業訓練で取得できる資格にドローン操縦を加えたことが報じられた(出典:日刊工業新聞)。しかし、現状は、防災や警備、測量など民間でも使える範囲に止まり、兵器としての活用については各国軍と差が開くばかりだ。
部谷氏はツイッターで「ついに韓国よりも遅れてしまった自衛隊…」と絶句気味に投稿していた。
また、陸自イラク派遣部隊の「ヒゲの隊長」として知られた佐藤正久・外務副大臣(参議院議員)はAIドローンの登場や、夜間のドローン攻撃対応の難しさを指摘していた。
そして、一般のネット民の間では、自衛隊や在日米軍基地上空の飛行禁止を盛り込んだドローン規制法改正案が成立する前に、「報道目的限定にしてドローンを飛ばせるようにする」対案を出した野党側がやり玉に…
本サイトで先日指摘したように、サウジアラビアの石油施設が無人機の攻撃を受けた事実が明らかになり、対案を主導した立憲民主党の蓮舫氏には「ブーメラン」の事態になったが、同じく、法案に反対していた社民党の福島瑞穂氏やメディアに説明責任を求める意見も相次いだ。
福島みずほ議員、こんなのが隣国では出てきてますが、これでも日本国内で規制しなくてもいいんですか?
米軍基地や自衛隊基地上空のドローン飛行規制法案に、知る権利とやらを振り回して反対していた野党やメディアの見解が聞きたいわ。