安倍首相は「トランプ接待の達人」なのか?

トランプ大統領が来日し、安倍晋三首相は昨日も、千葉でゴルフをして大相撲観戦、そして炉端焼きで夕食と手厚くもてなしています。

(官邸サイトより:編集部)

他の先進国トップと比べ、安倍首相のトランプ大統領との親密ぶりは群を抜いています。アメリカのトップとコンタクトできるパイプを作った能力は、日本の他の政治家には無い、特別な資質だと思います。

トランプ大統領の顔を見ていると、日本滞在を楽しんでいるように見えます。しかし、安倍首相の目的はトランプ大統領に楽しんでもらうことではありません。最終的に、自国の国益を実現させることにあります。だからゴルフや相撲観戦しながら遊んでいるわけではなく、炉端焼きを食べながらも、日本の国益につながる交渉をインフォーマルに進めているはずです。

ビジネスパーソンも接待をすることがありますが、接待した後でそれに対するメリットが得られるかどうかで評価されます。

どんなに接待で相手を喜ばせても、仕事の成果に結びつかなければ接待の達人とは言えません。接待ばかりしていて、仕事の成果が上がらなければ、ただの金食い虫です。

それと同じように、安倍首相が接待の達人なのかどうかは、トランプ大統領の帰国後に日米関係にどんな展開があるかで判断されます。

拉致事件を含む北朝鮮問題の解決につながる日朝首脳会談を開催する。そして日米貿易交渉での日本の主張を反映させ妥結する。さらに、これらを実現しながら緊密な日米関係を構築する。安倍首相の頭の中では、接待の見返りをどうやって手に入れるかをずっと考えているはずです。

トランプ大統領という最強のネゴシエーターとガチンコで向き合いながら、日本の国益を主張していくのは簡単な仕事ではありません。そんな激務を淡々とこなしていく安倍首相を批判する人たちがいますが、果たして安倍首相を超える対応ができる人はいるのでしょうか?

今回のトランプ大統領の来日をチャンスに、アメリカとの交渉を有利に進める。それが実現すれば、安倍首相は「トランプ接待の達人」として歴史に名を残す政治家になると思います。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2019年5月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。