「楽しい仕事」はやるべきだが「楽しい投資」はやってはいけない

仕事で大きな成果を出すためには、仕事をやらされている「作業」ではなく、自分の新しい可能性への「チャレンジ」や社会への「使命」と捉えることが大切です。

なぜなら、作業と思ってやっているうちは、仕事は単調で出来るだけやりたくないものと考えており、そこからは月並みなアウトプットしか生まれないからです。

(写真AC:編集部)

自分にしかできない新しい価値の創造や、社会の問題解決を行う使命と考えれられうようになれば、仕事はエキサイティングでワクワクするものになっていくのです。

「楽しい仕事」とは、そのように自分自身がやりがいを持てることを周囲の人たちに提供する。そして、その対価として収入を得られるような状態になれば実現します。

だから、仕事は楽しくやっている人の方が、大きなアウトプットを出すことができると言えるのです。

私自身も、周りにいる人たちの人生を劇的に変えるようなワクワクする仕事以外はやらないようにしています。楽しい仕事だけやっていれば、とことん仕事を極めることが、むしろ苦痛ではなく寝食を忘れるくらい夢中になれる喜びとなります。好奇心が途絶えることなく、その結果として自分にしかできない極限にまで到達することができます。

このように仕事とは「好き」を極めることが大切だと思っていますが、投資は楽しい投資をしてはいけないと思っています。

儲かる投資と楽しい投資は一致しないからです。

例えば、株式投資で楽しいのは、銘柄選択や投資のタイミングを考えることです。「ソフトバンクの成長戦略」「アメリカ経済と株価のゆくえ」といったテーマはビジネス誌の定番の記事ですが、このような情報から超過収益を得られることはほとんどありません。それより、インデックス運用で平均値を狙い、アセットアロケーションに力を注ぐ「単調でつまらない投資」の方が成果が上がるのです。

また、不動産投資でも中古ワンルームの物件を現地に見に行く人がいます。自分の物件を見ると気分が上がるのかもしれませんが、現地を見ても新しい情報はほとんどありません。物件の細部にこだわるよりも、借入戦略をどうするか、管理の体制はどうなっているかといった「面倒でつまらない投資」にエネルギーを割くべきなのです。

このように仕事と投資は似ているようで、異なることも多いのです。どちらも将来のお金の不安を解消するために大切なことですが、そのアプローチ方法は真逆であることを忘れてはいけません。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2019年6月5日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。