愛媛県西条市のように学校のICT化を進め生徒の発表の時間を増やしたり、クエストカップのように生徒自らが課題を考えプレゼンしたり、with the worldのように海外の生徒とスカイプでつないだり・・・学校現場で新しい効果的な教育方法がもっともっと広がればいいのですが、実際には、なかなか広がりません。
おそらく、その最大の原因が、学校に自由に使えるお金が少なすぎること。
以前、なぜ「偏差値50の公立高校」が世界のトップ大学から注目されるようになったのか! ?で有名な大阪府立箕面高校の日野田校長とお話しして、びっくりしたことがあります!
箕面高校の既定予算から、必要不可欠な光熱水費や最低限の修繕を支払うと、ほとんど残らず、新規の事業費用や校長や先生の出張費などは全くと言っていいほどなかったとのこと。
箕面高校では、各校のプレゼンの結果、大阪府から特別配当を3年連続でいただき、さらに日野田校長の人脈・経験を駆使することで、海外での研修などを行うのですが、それでも校長の私費出張が多かったとのこと。
これではあまりにも属人的過ぎて、素晴らしい取り組みも広がりません。既存の補助金は一対一対応が強く、また、獲得には膨大な書類が必要。来年度以降の予見可能性も高くありません。
地域や企業等との連携を強化し、お金をあまりかけない方法ももちろんありますが、そのためにも旅費など最低限の費用は必要です。地方公共団体に対する地方交付税などに倣って、小学校・中学校・高校1校当たり、数十万円から数百万円程度の、使途が自由な一括交付金を交付すべきではないでしょうか。
<井上貴至 プロフィール>
編集部より:この記事は、井上貴至氏のブログ 2019年6月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は井上氏のブログ『井上貴至の地域づくりは楽しい』をご覧ください。