「私たちは何のために生きるか?」への本質的な答え

こんにちは!黒坂岳央(くろさかたけを)です。
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これまで数え切れないほど、色んな人が色んなところで回答を出している「私たちは何のために生きるのだろうか?」への問い…。私もこの問いに対しては数十年単位で考え続けてきました。最近、少しずつ「これが真の答えではないか?」と感じられる糸口を掴んだ気がしましたので、思い切って記事にしてみたいと思います。

photoB/写真AC(編集部)

人は自分自身を一番知らないまま生きている

人は不思議な事に、自分自身のことを最も分かっているようで、実は最も分からないまま生きているのではないでしょうか?突然の問いになりますが、あなたは次のような質問に即答が出来るでしょうか?

あなたはどんな才能を持っているでしょうか?
今就いている仕事は、一生やり続けても悔いはないと思えるものですか?
この先、どんなことをしてどんな人生を歩めば悔いが残らないでしょうか?

なかなか難しい問いだと思います。そして「そんなこと分かりきっている」と言わんばかりにこれらの問いによどみなく答える人も、実は周囲や市場からの評価は本人が思っているのとまったく異なるということが、往々にしてあるのです。

これまでのブログ記事でお話した通り、私もえらそうなことを言える立場ではありません。大学生の時に会計の勉強に手を出し、ビジネススクールだけでも100万円の学費を払い、アメリカへ留学して勉強をして、何年も会社員をやって「自分はこの10年間本気で取り組んできた、この分野への天賦の才能はない」ということが分かり、思い切って方向転換をした経験があります。

私はそのことに気づくのに、10年間というフルコミットした時間と、数百万円分の学習経費を使ってきたわけです。でも、世の中には気づかないまま人生を終えてしまう人が大半なのではないでしょうか?

自分が取り組んでいる分野に才能があるかどうか?「ない」ということに気づくだけでも、とてつもないエネルギーと時間と費用を要したのですから、適正を見つけるのはまさしく容易なことではありません。

人生とは「自分自身を知るための壮大な旅」である

私からの「人生を生きる目的」の答えはズバリ、「人生とは「自分自身を知るための壮大な旅」である」というものです。これ以上の本質的な答えはないと言い切っていいと思います。

人間は個々人の意識としての生きる目的と、生命体としての生きる目的は分けて考える必要があります。後者の生命体としての生きる目的とは、すなわち私たちの肉体に脈々と息づいている遺伝子としての存在意義のことです。遺伝子は利己的であり、究極的な目的として「遺伝子自身を継承すること」があります。私たちの肉体はそんな利己的遺伝子の乗り物に過ぎず、すべての行動や思考の行き着く先は「生殖」に行き着くと考える説です。

しかし、個々人の意識レベルでの生きる目的は、利己的遺伝子の持つ目的とは異なります。それこそが、「自分自身を知るために生きる」というものです。たとえば映画一つとっても同じものを見ても、人それぞれに見ているポイントや、受ける感覚は全く異なります。途中で飽きて眠ってしまう人もいれば、熱心に意識のコミットメントが起きる人もいます。登場人物の心情に関心を持つ人や、舞台の場所や歴史に興味を持つ人、情報やテクノロジーに興味を持つ人など、一人ひとりが注目しているポイントはまったく異なります。

自分が映画を鑑賞してどこに注目をしたのか?どこに感銘を受けたのか?それを分析するだけでも、それまで見えてこなかった自分自身の才能や価値観が見えてくるでしょう。他の人に見えないような、そんな深淵が見えたのならその分野にこそその人の才能や価値観が隠れているのかもしれません。

人生は一度きりしか生きられません。私も時々、寝る前に平均寿命まで生きるとすると、あとどのくらい時間が残されているのかをざっくり見えてしまい、愕然としてしまうことがあります。残りの時間で自分の才能を爆発させるもの、自分の才能で人々を熱狂させるもの、後世に残るようなもの…。そんなものを作り出せないだろうか?最近、そんなことばかり考えるようになりました。そうした探究心が向かう先は、「自分自身を知る」という壮大なる旅路の最終地点なのです。

黒坂 岳央
フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」 代表

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。