「背中がだんだん曲がってきたね」家族や友人から、こんな言葉をかけられた経験はありませんか?年齢を重ねれば、ねこ背がひどくなり、背骨が曲がっていくのは当然、と考える人もいるかもしれません。
今回は『一生曲がらない背骨をつくる姿勢の教科書』(マキノ出版)を紹介します。著者は、小林篤史(柔道整復師、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師、猫背矯正治療院V-Style代表)さん。著書として『ねこ背は10秒で治せる! 』(マキノ出版)などがある。
姿勢の悪い人は背中が丸くなっていますから、 そこが伸びれば身長のアップにつながることはイメージしやすい。伸長アップのポイントを小林さんは次のように説明する。
「ここで重要なのは、 前や後ろに傾いていた骨盤が立つことです。傾いていた骨盤が立つと、それだけで背が伸びるからです。いくつになっても、骨盤が立てば身長が1~2cm伸びる可能性があります。身長が実際に伸びた人を、数多く見てきました」(小林さん)
「高齢になると骨粗鬆症(骨がスカスカになる病気)の進行や、加齢による筋力の衰えなどによって、 身長が大きく縮む人がいます。10 cm以上縮んでしまう人も珍しくありません。しかし、そうしたケースでも、あきらめる必要はありません」(同)
小林さんが言うには、骨盤が立って、前方に突き出ていた首が自然な形で伸ばせるようになることが理想とのこと。この姿勢が維持できれば、完全回復とはいわなくとも、縮んだ身長を一定程度、取り戻すことも可能になる。
「また、セルフケアを継続していけば、股関節周辺の筋肉群だけでなく、背骨周辺の多くの筋肉もバランスよく働くようになります。そうした作用は、身長の低下予防にも役立ちます。Bさん(32歳·女性)は『骨盤を立てるストレッチ』によって姿勢がよくなったことで、さまざまな体調不良が改善しました」(小林さん)
「しかし、それだけではありません。健康診断を受けたら、なんと身長が1.7㎝も伸びていたんです!この年齢で身長が伸びたのですから、とても驚きました」(同)
本書では、2万人のねこ背を治した姿勢の専門家が、「何歳からでも“背すじピン”を叶える方法」「一生曲がらない背骨のつくり方」を公開する。ストレッチやエクササイズは、高齢者でもできるほど簡単で、10秒から、せいぜい1分といった程度で実施可能。背すじがピンと伸びれば、見える世界が違ってくるかも知れない。
尾藤克之
コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員
※6月6日に14冊目の著書『3行で人を動かす文章術』(WAVE出版)を出版しました。
[本書の評価]★★★(74点)
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★★★★★「レベル5!家宝として置いておきたい本」90点~100点
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★★★ 「レベル3!期待を裏切らない本」70点~80点未満
★★ 「レベル2!読んでも損は無い本」60点~70点未満
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