韓国・聯合ニュースによると、韓国の文喜相国会議長が13日、訪韓中の鳩山由紀夫元首相と会食し、明仁上皇(当時は天皇)が慰安婦問題で謝罪すべきだと述べた過去の発言について「心が傷ついた方々に申し訳ないという思いを伝える」と謝罪したという。
これまで、頑なに発言の撤回も謝罪も拒んでいた文議長が急転直下、態度を一変させ、しかも、そのきっかけが、独自の「謝罪外交」を続けて炎上している鳩山氏の指摘を受けたことだったため、日本国内のネットでは、「裏がありそう」「茶番だ」などと疑心暗鬼が広がった。
朝日新聞によると、鳩山氏はその前日、ソウルの延世大の学生らに講演し、「日本は戦争で傷つけた人たちや植民地にしていた方々に対し、『もう、これ以上謝らなくてもいい』と言ってくれるまで、心の中で謝罪する気持ちを持ち続けなければならない」などと述べたという。お得意の自虐史観に基づく謝罪「外交」の様子が報じられた時点から、ネットでは右派の人たちを中心に
こいつ死ぬまで治らないな
パスポートを取り上げろ
などと強硬論がいつものように飛び出した。
自民党の大西宏幸・衆議院議員(岸田派、大阪1区)からも「マスコミの皆さん。この人の言動は丁寧に無視した方が良いのでは無いですか?」と、小野寺前防衛相が韓国外交の持論としている「丁寧な無視」論を引用して皮肉った。
そして驚きのニュースは夜になってから。共同通信が午後7時過ぎに「韓国国会議長が『天皇発言』を初めて謝罪」と速報を出し、各社も続いた。各社のニュースツイッターには続々と書き込みがなされたが、中でも産経新聞のツイッターは記事の中身も要約していたためか、特に多くの反応があった。
ツイートに対しては、
謝る相手が違う‼︎
鳩山氏にって…信用できないな…
などと不審がるコメントが圧倒的だった。
ただ、軍事ジャーナリストで、ハフポスト前編集長の高橋浩祐氏は、「韓国の国会議長が日本に対して謝罪するなんて、びっくりです。お世辞抜きに、これはやはり相手が鳩山氏だったからだと思う。鳩山氏への韓国側の信頼は厚い」と、鳩山氏の独自のパイプの効果があったとの見方を示した。
一方、高須クリニックの高須克弥院長は「河野先生には開きなおり、鳩山先生には素直ですね」と痛烈に皮肉った。
一報が出た直後は、驚きに包まれたが、雲行きが怪しくなったのは、時事通信の報道内容が拡散してからだった。共同通信の速報から約40分後に配信された記事によると、文氏が鳩山氏との会食の席上、謝罪の言葉を述べたのは確かなようだが、聯合ニュースの打電内容として、
文氏側は「韓国には韓国の立場があり、日本には日本の立場があるという点に共感した。心を傷つけられたのであれば、申し訳ないという趣旨だ」と説明。発言を撤回したわけではないという認識を示した。
などと、文氏が国外向けに言葉を使い分けているとも取れる内容が記述されていた。
本稿冒頭で引用した聯合ニュースの日本語版には、この記述はなく、なぜ日本向けには事実を「報道しない自由」を行使したのか疑念も生じている。
高須院長もこの情報に気づき、後になって「やっぱり」と得心していた。
高須院長のツイッターにはフォロワーから
信じなくて良かったです
吉本新喜劇のようなお約束的オチ!
などと同調する意見が相次いでいた。