「子供のまま年をとった大人になった」という人が今からやり直すべきこと

こんにちは!黒坂岳央(くろさかたけを)です。
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「子供のまま、年だけとって大人になってしまった」という声をよく見かけます。確かにチャイルディッシュな精神を持ったオジサン、オバサンと会うことがあります。

acworks/写真AC(編集部)

子供のまま、体が大人になった人は今から気持ちを大人にする方法はあるのでしょうか?もちろん、Twitterでつぶやいておきます。

「大人になる」という真の意味とは?

「大人と子供の違いは、責任の有無だ」という人がいます。法的に見ればこの解釈は正しいと感じますが、それは社会的な記号としての極めて表層的な理解でしかありません。真の意味で大人になるということはどういう理解でしょうか?私が個人的に持っている一つの答えとしては、「ビジネス思考を持っていること」です。ビジネス思考とは、合理的思考、人間関係におけるコミュニケーションなど複合的な要素の総称でありますが、今回私が提唱するのは「価値提供」という点にフォーカスします。

ビジネス思考、というといかにも経済一辺倒主義的な考え方であり、非人間的な否定的なイメージを持ってしまわれるかもしれませんね。でもそうではありません。家族愛、恋愛、友達関係、親子の関係などあらゆる側面で「ビジネス思考」というのは有効にワークするものなのです。

ビジネス思考とは価値提供のことである

私が主張する「ビジネス思考」というのは、徹底的な価値提供のことです。これだけ意識をすれば、ビジネスはもちろん恋愛だろうが親子関係だろうがすべてはうまくいくと信じていますし、私自身が身をもって体験しています。

世の中は、長いこと働いているビジネスマンでも、ブレないビジネス思考を持っている人は意外に多くありません。「お客様満足度のため」といいながら、相手の都合を考えずに無用な商品・サービスでハードセールスをかけて相手から訝しげな顔をされてしまったり、「ビジネスはコミュニケーションが大事だ」といいながら、迷惑がる部下を連れて飲み会で武勇伝をかます人はたくさんいます。

そもそも、価値提供というのは簡単な行為ではありません。多くの人は価値提供を「独りよがり」「自分本位」でやっています。自分がいいと思う商品・サービスを相手に無理やりにでも買わせることが、「お客様のため」などと考えているということです。そのモノの本質的な価値は市場が決める、これがビジネスの世界における時空を超えた真理です。ある人が熱狂的に入れ込んでいるものも、他の人には無価値に思える、そうした状況は普通なのです。問題は無価値に感じる人に押し付ける時に発生します。

ビジネスの世界における価値提供とは、相手が求めるものを期待値以上に提供する行為のことです。ビジネスマンがやるべきことは、これにフルコミットメントするだけなのです。

恋愛でもビジネス思考は極めて有効に機能する

私は恋愛にこそ、ビジネス思考を取り入れるべきと考えています。恋愛に気持ちのすれ違いはつきものです。男性は燃え上がっているのに、女性はそこまで…という状況はよく見られます。そんな時、嫌われてしまう男性は、自分本位に燃え上がった気持ちをそのまま表現しようとします。でも、受け取る女性側は気持ちが高まっていませんから、押し付けられる気持ちを迷惑に感じてしまうことでしょう。

そんな時、ビジネス思考を持っていれば恋愛も攻略することができます。私は現在の奥さんに振り向いてもらうまで、一年以上時間がかかったものですが、その一年間は自分の熱い気持ちを無理に押し付けることは一切しませんでした。相手が好きなことを理解し、価値観を理解し、徹底的に相手が求めるものを提供し続けました。

奥さんは肉(牛・豚・鳥)を食べない人なので、最初はシーフードのお店ばかりいっていたのですが、その内奥さんが「自分に合わせてもらってばかりで申し訳ない」というので、食事をホテルビュッフェにしました。これなら、各々好きなものが食べられますから、お互いに気を使うことが一切ありません。この提案に彼女は非常に気が楽になったといいます。

人は自分を理解してくれる人を好きになります。私は奥さんを理解するために、まずは徹底して相手を理解するために話を聞く側にまわるようにしました。相手の好みや価値観が分かれば、後は喜んでもらうことを提供していくだけです。

こうしたことを一年以上続けたことで、まったく恋愛感情を持ってもらえなかった彼女にも振り向いてもらうことができたのです。その根底には、徹底した価値提供を目的とした、ビジネス思考です。

大人の振る舞いというのは、ビジネス思考に裏打ちされた行動

「大人の振る舞い」とはなんでしょうか?余裕がある、マナーを遵守し、振る舞いがエレガントである、一緒にいて気持ちが楽である、など様々あげられるでしょう。

しかし、こうしたあらゆる振る舞いもビジネス思考に裏打ちされています。余裕があるのは、相手を理解しているが所以です。相手が何者か?どんな価値観を持っているのか?そうしたことを理解しようと務めることで、相手との距離感やボーダーラインが見えますから、気持ちに余裕が生まれます。相手に嫌な気持ちにさせないためにマナーを理解して経験を積むからこそ、エレガントな振る舞いになるわけです。相手に価値観を押し付けがないからこそ、一緒にいて気持ちが楽になるのではないでしょうか。つまりは、すべては「価値提供」というビジネス思考への道に通ずるということなのです。

子供の時から変わらない、という人にこそビジネス思考を持つことを検討してもらいたいと思っています。ビジネス思考を持てば世の中のあらゆる物が手に入ります。経済的な金銭はもちろん、人間関係も円滑になり、恋愛も親子関係も自己実現もその全てが手に入るでしょう。私が日々、生活をしていてもっとも大事にしている「ビジネス思考」。この有用性をおすそ分けできればと考えています。

黒坂 岳央
フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」 代表

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。