米国で広がるSRI投資、州別で異なる環境意識

「社会的責任投資(Sustainable Responsible Investment)」は、マネーマネージャーや機関投資家の間でも重要なテーマとなっています。こちらのほかラジオNIKKEI「北野誠のトコトン投資やりまっせ」でお伝えしたように、米国の屋台骨であるミレニアル世代で環境・社会・企業統治(ESG)関連投資への意識が高ければ、なおさらですよね。

US-SIFによれば、社会的責任投資に適う米国の運用資産額は、2016年から38%増の約12兆ドルに及びました。運用額全体の約4分の1を占めるまでになったといいます。

(作成:My Big Apple NY)

米国のファンドマネージャーの間でも、投資決定にESG基準を採用しているとの回答は2018年に43%へ上昇。地域別のESG組み入れ比率では、当然というべきかレジ袋禁止を法制化したカリフォルニア州などを抱える太平洋部、そして2020年度から禁止措置を導入するNY州を含む北東部で高い。逆に南東部では13%にとどまり、5地域で唯一、2013年比で低下していました。

(作成:My Big Apple NY)

金融業界から話題を変えて、地域別の環境意識をみると興味深い事実が見えてきます。こちらをご覧下さい。

レジ袋禁止の法制化動向のチャートをみると、アイオワ州をはじめウィスコンシン州、フロリダ州など2016年にトランプ氏の勝利をもたらした6つの接戦州の一部をはじめ、共和党支持基盤の州を中心に、地方自治体によるレジ袋禁止措置を阻止する動きが確認できます。

(作成:My Big Apple NY)

例えばテキサス州は、州最高裁がその判断を下しました。いわゆる“意識高い系”が声高に環境保護を訴えれば、反動が出るという典型例と言えるのではないでしょうか。

(カバー写真:David Cornwell/Flickr)


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2019年6月24日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。