参院選突入!維新だからできる年金リセット改革

柳ヶ瀬 裕文

こんにちは。やながせ裕文@参院選比例区です。

いよいよ参院選がスタートしました。私は今回、日本維新の会公認で、比例区から初めての国政に挑戦中です。

さて、マスコミなどではこの選挙戦の争点は、「年金」問題を挙げています。

前回のブログにも書きましたが、麻生大臣は、「老後資金は2000万円が不足する」と指摘した金融庁の報告書の受け取りを拒否し、年金財政の健全性を確認するため5年に1度出される「年金財政検証」もいまだに出してきません(前回は6月に出ていました)。

しかし、維新以外の野党も無責任です。例えば立憲民主党は枝野代表が麻生大臣の対応について「上から目線」などと表層的な批判や揚げ足取りに終始するばかり。各種世論調査で、お年寄りの支持が多いことを意識してか、年金をいまもらっている or まもなくもらう世代の不安を煽るばかりのように思えます。

政権与党も、維新以外の野党も、結局は、若い世代ほど年金の受け取り額が目減りしていく「世代間格差」を直視していない点で変わりありません。それは将来世代に対する無責任の極みです。

維新だけは違います。世代間格差の是正策として、維新は、橋下徹氏が代表を務めていた何年も前から、現行の賦課(ふか)方式から積立方式への移行を公約に掲げてきました。

賦課方式とは、現役世代みんなでお年寄りに「仕送り」をする仕組みです。しかし、これは年金制度がはじまった昭和30年代のように、世代別の人口構成がピラミッド型の時代、つまり、多くの現役世代が少ないお年寄りを支える構図であったからこそ機能できました。

年金制度開始当時、男性が60代、女性が70代だった平均寿命は、60年近く経って男女ともに80代を超え、少子高齢化で人口構成も一変しました。国民年金の場合、現役時代に納めた年金額に対してどれだけ給付されるか、厚生労働省の試算(2015年)では、1945年生まれの人が4.5倍ももらえるのに対し、例えば私とほぼ同世代の1975年生まれでは2.4倍にまで目減りします。さらに10歳以上若い人たちも2.3倍にとどまります。

写真AC:編集部

国は年金制度を持続可能にし、破たんはないとしています。現在は約150兆円ある年金積立金を運用して、現役世代の負担を抑えようとしていますが、本当に大丈夫なのでしょうか。

しかし、これが積立方式に変わればどうでしょうか。民間の保険と同じく、個人がそれぞれ積立てた分を老後受け取る形になるので、少子高齢化による影響は受けづらくなります。当然、払った分をベースに支給されるということは、フェアでクリアなものになりますから、世代間格差の不満もかなり解消されるはずです。

ただし、積立方式について「現実的ではない」という批判もあります。一番の課題は、移行する途中に現役世代の負担が増す可能性があることです。現行の賦課方式で年金を受け取っているお年寄りへの「仕送り」をしながら、自分の分も積み立てることになる「二重負担」の問題です。

しかし、積立方式の移行については専門家から旧国鉄の経営再建の手法が応用できると指摘されています。国鉄民営化の際には、25兆円の巨額の債務は清算事業団が引き継ぎ土地などを処分して返済を継続。一方、鉄道運営はJRが担う「分離方式」をとりました。

年金で言えば、いまの賦課方式でお年寄りに支払う分が「借金」になりますので、国が清算事業団方式で一旦債務を負い、積立方式による新しい年金事業は別にスタートする形が想定されます。

もちろん賦課方式の「借金」は600兆円を超える天文学的数字ですからその清算は簡単ではありません。このあたりは党としても専門家の助言を元に制度設計を研究し、ブラッシュアップに努めていますが、積立方式に移行する方が、全国民に生活に必要最低限の金額を支給する「ベーシックインカム制度」の導入よりはまだ現実的ではないでしょうか。

国民生活に直結する年金の問題は、右も左もなく、前に進めるしかありません。難しい問題も直視し、正面から国民に訴えて制度を抜本的に見直す。そんな政治ができるのは、しがらみのない維新だけなのです。

維新の参院選マニフェストもぜひご覧ください!(リンクはこちら


柳ヶ瀬 裕文  前東京都議会議員、日本維新の会 参議院東京比例区支部長
1974年生まれ。JR東日本企画、国会議員公設秘書、大田区議会議員を経て東京都議会議員(2009年7月〜2019年3月)。都議在任中は「こども達の未来へ」をキャッチに、徹底した行革、ムダの削減、都営地下鉄と東京メトロの統合民営化、医療、教育問題などに取り組んだ。2019年参院選比例区から立候補。公式サイト