「やられたらやり返す」のは1回だけ

「内藤さんて、普段は優しいけど、怒ると怖いですね」と言われることがあります。確かに、普段は滅多に怒ったりしませんが、負けず嫌いな性格なので、納得できないことがあると、どうにも許せないのです。

サンサン/写真AC(編集部)

以前にも書いたことがありますが、私は「しっぺ返し戦略」をいつも自分の行動の基本にしています。英語で「Tit for tat」と呼ばれるゲーム理論の考え方です。

単純な例で説明すると、2人のプレーヤーがいて、お互いが相手に対して協調するか裏切るか、どちらかを選択しなければならないとします。しっぺ返し戦略は、最初は相手に対して協調することを選択します。そして、相手が裏切らない限りは、協調を選択し続けます。

ただし、相手が裏切ってきたら、その時だけこちらも裏切りを選択します。「やられたらやり返す」という訳です。ただし、そして相手がまた協調に戻ったら、自分も裏切らず協調する。

このモデルと同じように、人付き合いおいては、基本は周囲の人たちとはお互いに協調的な関係を続けます。しかしもし、協調していた相手が裏切って攻撃を仕掛けてきたら、やり返すということです。

ここで大事なのは、やり返すのは1回だけにすることです。相手が協調してきたら、粘着質に続けないでまた協調するようにする。相手にやり返すのは例え相手に非があるとしても、気持ちの良いものではありません。

これは、ビジネスでもプライベートでも同じです。

こんな風にしているのが、怒ると怖いと思われる理由なのかもしれません。

できれば、自分の周りの人たちとはいつまでも仲良く、そして楽しくやっていきたいと思っています。しかし、たくさんの人との関わりを持てば、その中には残念な人が一定の比率で存在するもの悲しい現実です。

しっぺ返しなどできるだけすることなく、できれば毎日を心安らかに過ごしたいものです。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2019年7月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。