最多世代は40代!候補者年齢に見るワカモノのミカタ政党は公明や共産なのか?

候補者の平均年齢が一番若かったのは公明党、2位は共産党

いよいよ参議院選挙が公示となった。イマイチ盛り上がらない参院選挙ではあるが、思い返してもらいたいのは、3年前の2016年の参議院選挙だ。70年ぶりに選挙権年齢が引き下げられ、18歳が参加できるはじめての国政選挙として注目されたのが、この参議院選挙だった。すっかりブームを逸した感がある「18歳選挙権」だが、逆に言えば、この「18歳選挙権」がもはや多くの皆さんのスタンダードとして認識されてきたようにも思う。

いずれにせよ、あまりにも話題性のない今回の参議院選挙を若い人たちにも少しでも関心を持ってもらうキッカケにできればと、参院選の候補者を年齢データに基づいて、どの政党が、若い候補者を擁立しているのかを紹介して行きたい。

政党別候補者平均年齢(参院選2019)

出典:各政党ホームページ等からNPO法人Rightsが調査

今回の参議院選挙で候補者の平均年齢が主要政党で最も若かったのは、46.9歳の公明党だった。次いで、48.0歳で共産党、さらに49.1歳の立憲民主党と続いた。一方で、自民党は現職が多いことも影響してか、56.1歳でブービー、ワーストは社民党の56.4歳だった。国会議員は、世代の代表者ではなく、全国民の代表としての判断が求められるため、高齢の政治家が「若者の敵」というわけではないし、勿論、若い候補者や若い政治家が必ずしも「若者の見方」というわけではない。

ただ一方で、若者たちに聞くと、政治に関心を持てない理由に「同世代の候補者がいない」ことを上げる人たちが一定数いる。こうした中で、今回は、各政党候補者選定の違いを年齢というデータを「ワカモノのミカタ政党」としながら見ていくことにしたい。

世代別の候補者割合を見ると、20代の候補者が1人もいない・・・

政党別候補者世代割合(参院選2019)

出典:各政党ホームページ等からNPO法人Rightsが調査

各政党の候補者を世代別にグラフにすると各政党の特色はよりハッキリと見えてくる。政党要件を満たす政党の候補者に限るが、今回、全世代の中で最も多く候補者が出ているのが40代だった。これまでの選挙のデータとの比較はまたあらためて行おうと思うが、皆さんの「政治家」や「候補者」をイメージする年齢と比べると、「思ったより若いな!」と思われる方も多いのではないかと思う。

一方で、若い人たちからすると、「ちょっとおい!20代が1人もいないじゃないか!」ということに気づく。これは政党の候補者選定の問題ではなく、日本においては「参議院選挙の被選挙権が30歳から」とされているからである。

ちなみに「30歳から」と規定されているのは、参議院議員と都道府県知事で、それ以外は25歳からとなっている。代表理事を務め、「18歳選挙権」を実現に導いたNPO法人Rightsでは、この被選挙権についても「18歳」に引き下げるべきだと求めている。政策については、また別途ブログを書いていくことにするが、この点についても各党がどういう政策を掲げているかも注目してもらいたい。

40代以下の候補者割合や平均年齢では公明党、30代が多いのは共産党

候補者政党別世代割合等一覧(参院選2019)

出典:各政党ホームページ等からNPO法人Rightsが調査

今回、あらためてこうして各政党の候補者の年齢データで見てみて感じたのは、40代の候補者が31%と約1/3を占めているということだ。公明党にいたっては40代だけで58%と半数を超え、30代を合わせると候補者の75%を占めている。また、30代に限定して見ると、30.0%と共産党が他を圧倒していることも分かる。

公明党、共産党は、あらためて党として世代交代や若手政治家を増やしていこうという意思を感じる。一方で70代が最も多かったのは14.3%の社民党、60代以上だと43%と半数近くを占める。任期が6年の参議院議員だと何期も務める現職たちは、当然、それなりの年齢になる。とくにそういう議員が多いのが自民党だと認識した上で自民党のデータを見てみると、30代こそ3.7%とほとんどいないが、50代を中心に各年代にバランスよく候補者を擁立しようという意図は見られる。

バランスという意味では、30代から70代までほぼ同じ割合で擁立しているのが日本維新の会だった。こうして数字で見ると、「やっぱり」と感じる部分もあれば、イメージで感じていたものと異なる事実がみえてくるものもあるのではないかと思う。

40代以下の候補者数だと主要政党では自民党がトップ

政党別30代40代候補者数(参院選2019)

出典:各政党ホームページ等からNPO法人Rightsが調査

候補者の数で見ると割合で感じたイメージとはまた変わってくることになる。政党要件を満たす主要政党で見ると、40代以下の候補者は実は自民党が最も多い。30代だけだと3名と少ないが、40代は22人と圧倒的に多かった。次いで40代以下が多いのが、共産党と立憲民主党、公明党、国民民主党、日本維新の会、社民党という順だった。

30代だけで見た場合は、共産党がほかを圧倒して多かった。主要政党以外にも広げると、NHKから国民を守る党が30代、40代ともに多いことなども分かったが、一方で30代候補に限定すると、主要政党以外にも候補者数はまだまだ少ないことなども分かる。

候補者年齢ランキング(参院選2019)

出典:各政党ホームページ等からNPO法人Rightsが調査

今回の参議院選挙における主要政党からの30代候補は、わずか30人しかいない。最年少候補となったのは、32歳の安江のぶお 候補(公明・愛知)、下奥奈歩 候補(共産・比例)、島袋恵祐 候補(共産・比例)の3名だった。また、注目の東京選挙区は、30代候補対決の選挙区ともなっており、最年少は、35歳のおときた駿 候補 (維新)、36歳の吉良よし子 候補(共産)37歳の山岸一生 候補(立民)が顔を揃えた。自民党からも、36歳の山本左近 候補(比例)、39歳の山下雄平 候補(佐賀)、水口なおと 候補(比例)の3名が立候補している。

今回は、こうした若手候補に注目して紹介させてもらったが、是非、参議院選挙「どうやって投票先を決めようか」と思っていた皆さんの一つの参考にしてもらいたい。また、こうした若手候補者たちが、実際に当選し、若手政治家を増やしていければと思う。

高橋 亮平  メルカリ社長室政策企画参事、一般社団法人政治教育センター代表理事、NPO法人Rights代表理事、一般社団法人生徒会活動支援協会理事長

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