東京五輪でわかる世界の国名の現地での呼び方

日本史が面白くなる「地名」の秘密』(知恵の森文庫)と『消えた国家の謎』(イースト新書)とたまたま先週に2冊の新刊書を出した。

後者は地名の本でなく、国家の盛衰と現代の国家ができるまでの経緯についてのものだが、国名についての記述も含む。とくに、巻末には現在存在する世界の200国について、英語、フランス語、現地語、中国語(日本式と現代中国式の字体とローマ字)、現地語のカタカナでの読み方を一覧表にした。

はむぱん/写真AC(編集部)

かなり、便利な資料になっていると思う。とくにオリンピックを楽しむのに向いている。というのは、世界の国々の問題にとくに興味をもったのは、アテネ五輪がきっかけだからだ。開催国ギリシャの入場のときのアナウンスは、「グレース、グリース、エラーダ」だった。

オリンピックで伝統的にフランス語が優先されるのは、NHK大河ドラマ「いだてん」でも描かれているが、現在でも仏英2か国語が公式用語だが、フランス語優先であるので、メダルの授与式などでもフランス語も使われる。

しかし、私が驚いたのは、ギリシャ語がエラーダだったことだ。英語がグリースなのに、日本語でギリシャなのは、ギリシャ語かと漠然と思っていたら違うと分かった。それでは、どこかといえば、ポルトガル語のグレーシアスが語源だとわかった。イギリスもポルトガル語起源だ。

それから、世界各国語、とくに現地語でどういうか興味をもって追いかけてきた成果だ。とくに、ギリシャというだけでなくギリシャ共和国という共和国の部分も現地語、それもカタカナで書いてある。ちなみに、ギリシャ共和国はエレヌィキ・ディモクラティアだ。

ほかにも興味深い例はいろいろあるので、雑学的に10の例を紹介しよう。

①エジプトは英語もフランス語も同じだが、アラブ語ではミスルという。インドもバーラトで語源が違う。

②日本は英語ではジャパンだが、これは、日本がなまったもので、チャイナと中国では語源が違うのは別だ。

③韓国は英語ではコリアでフランス語ではコレーだが、頭文字が英語ではKだが、フランス語ではCとなり、日本語のアルファベットでの順序が逆転する。

④大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国では、民国も共和国もいずれもリパブリックで民国は中国語起源、共和国は日本語起源だ。

⑤ユナイテッドでもアメリカ合衆国は、フランス語でエタジュニ、イギリス連合王国はロワヨーム・ユニ。

⑥中国ではフランスとドイツを法国。徳国という。アメリカも美国。

⑦ジョージアはロシア語のグルジアから英語読みに国際的呼称を変えたが、ジョージア語ではサカルトベロ。

⑧ドイツというのはドイツ語でなくオランダ語。ドイツ語はドイッチュランド、英語はジャーマニー、フランス語はアルマーニュ。

⑨スイスはフランス語のシュイースか?ドイツ語ではシュバイツだが、コインはラテン語でヘルベティア。

⑩ハンガリーは現地語ではマジャロサーク。フン族がまず侵入しついでマジャール族が来たため。


八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授