中チャン。
参議院選挙スペシャル。
10日目は教育です。
「教育は未来の国を作るために本当に大事」ですが、そのアプローチにはあまりにも多くのことがあります。
そこで現実的な話と将来を目指した私の考えの二つをお話をします。
これはもう世界的に見て異常なことですし、本当に悲しいことだと思います。その全ては学校教育に原因があるわけではありませんが、学校教育、特に公教育の無責任さは大問題です。
「なぜこれほどまでに無責任なのか」、失礼ながらほとんどの国民もほとんどの国会議員も知りません。
私は横浜市長を務めていたので、小学校・中学校・高校の合わせて500以上の学校教育現場の総体に関与してきたのでわかるところがあります。
皆さん、教育行政の責任者は誰だと思いますか。
実は教育行政の責任者は、学校長でも教育委員会の教育委員長でも教育長でもまた市長でもありません。
答えは、日本の学校教育の責任者は、実はただの1人もいません。法律上は教育委員会という組織が責任を持つということになっている仕組みで、その所管大臣として文部科学大臣がいるということだけです。
例えば、日本の最高責任者は総理大臣ではなく、閣僚だったらどうなりますか。
プロ野球の巨人や阪神の最高責任者は監督ではなく、監督コーチ会議だったらどうなりますか。試合中にその状況に応じてサインすら出せないという野球になってしまうわけです。
もう一度言いますが、日本の学校教育現場には、ただ1人も責任者はいません。
これは全てにおいて教育をダメにしている根幹の仕組みです。
私はかつて衆議院議員時代に市町村に教育委員会に代わって教育部局の長を置く、すなわち教育部長を置くという法律案を提出しました。財政ならば財政部長。福祉ならば福祉部長、これと同じです。
その人が責任を持ってその行政をリードするということが重要なんです。
ぜひそうした仕組みになるように引き続き努力をしていきたいと思います。
さて、高校教育についてですが、私立、公立ともに、2014年4月から始まった高校授業料無償化・就学支援金支給制度で、全日制は月額9,900円、定時制は月額2,700円、通信制は月額520円、私立高校は全日生・定時制・通信制ともに月額9,900円が支給されています。
※世帯の収入状況によって就学支援金の支給額が異なる大学教育についても、授業料免除や無利子奨学金などの拡充が進んでいます。
経済的な格差が教育格差にならないように、教育だけは機会均等になるように、さらなる拡充に私は努力します。
一方、教育の中身の見直しも必要です。
私は横浜市長時代に、今では有名になった横浜サイエンスフロンティア高校を作りましたけれども、これは市長就任時にすでに建て替えが始まっていた工業高校を、建物の建て替えではなく中身を変えることに舵を切ったものです。
かつて日本は物作り立国でしたから、その製造業への人材供給が工業高校でした。しかし、これからは技術立国の時代だからです。中身の見直しは、普通科や商業科なども必要です。
そもそも普通科と言いますが、普通とは一体何を指しているんでしょうか。
高校は何を理念とし、いかなる成果目標にしていくのか、学校ごとに策定すべきです。
その意味で、教育のより自由度を高めることが必要です。
学校を設立するのは極めて厳しい基準ですが、より弾力化するべきだと考えます。
料理・美容・健康・IT・スポーツ・eスポーツ環境など様々なことが専門的に高校で学べていいはずです。
逆に、中学までの基礎がしっかりできていることも必要になります。
さらなる基礎としては幼児教育です。
人としてのもと、すなわち礼儀・けじめ。・相互尊重、広い意味でのしつけということについては、幼児教育の義務化という中で行っていくことも将来的には検討していくべきだと私は考えます。
編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2019年7月13日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。