毎日新聞が国家戦略特区を巡り、ワーキンググループ(WG)の座長代理を務める原英史氏らに「疑惑」があるかのように報じている問題で、国家戦略特区諮問会議の民間有識者議員全員と、原氏を除くWG委員は17日、毎日新聞社に対し、抗議文を送った。WG座長を務める八田氏がブログでその内容を公開した。
抗議文を送ったのは八田氏のほかに、秋池玲子、坂根正弘、坂村健、竹中平蔵、秋山咲恵、阿曽沼元博、安念潤司、岸博幸、中川雅之、本間正義、八代尚宏の各氏。抗議文では、一連の報道について「大いなる誤解と悪意に基づくものである」と指摘。その根拠として、以下の2点を挙げている。
1.国家戦略特区ワーキンググループの委員は、規制改革の提案・要望を有する者に必要な助言・支援を行うなど、提案者の立場に立って、規制改革の実現のために尽力することを、本来業務としていること。
2.国家戦略特区ワーキンググループ委員が規制改革提案・要望を持つ者や関係の政府機関との打ち合わせを行う際に、提案者保護などの理由から、必要に応じ、非公式な打ち合わせを行うことは、効率的・効果的な規制改革の実現にとって合理的であること。
ところが毎日新聞は、委員と提案者が折衝することについて問題があるかのように記述しており、八田氏らは「規制改革行政そのものの否定であり、言語道断」「(提案者の保護のために非公式の打ち合わせを)『隠蔽』などという言葉で表現し、批判することはあってはならない」と抗議した。
一連の報道は毎日新聞が6月11日の朝刊でキャンペーンをはじめたが、原氏も即座に自身のFacebookやアゴラ等のネットメディアを通じて反論を掲載。毎日新聞が続報を出すたびに原氏も再反論するという異例の展開となり、他の記者クラブメディアで毎日新聞に同調する動きは見られない。
原氏は6月14日付で最初の質問状を毎日側に送ったが、期限までに回答しなかったため、6月26日、毎日新聞社を相手取って東京地裁に提訴した。しかし毎日は係争段階になっても、続報を出すなど事実上、争う構えを見せている。
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