「私は運が悪い」「私はなぜチャンスをつかめないの」「私は恋愛についていない」。運が悪いことが起きるとき、それは偶然ではありません。
今回は、『365日夢をかなえるシンクロの魔法』(扶桑社)を紹介します。著者は、米国チョプラセンター認定講師、クリスタル研究家の木村衣晴(きむら・ちはる)さん。
私たちが社会生活をおくるうえで人との付き合いは避けることはできません。良質な人間関係を構築するにはなにが必要でしょうか。
人間関係の本質とはなにか
自分から相手に思いやりの気持ちで接することや、相手への気づかいなどは当然のこと、お互いにとって良くない関係であれば、関係をクローズするなどいくつかの方法があります。ですが、その前に確認することがあると、木村さんは説明します。
この法則を説明する前に、簡単なワークをします。あなたが大嫌いだ、嫌なやつだと思う人を思い浮かべてください。次に、その人物の嫌いなところを5つリストアップしましょう。あなたが称賛に値する、こんな人になりたいと思う人を思い浮かべてください。次に、その人物の賞賛に値するところを5 つ リストアップしましょう。
(木村さん)「リストが完成したら、そのリストに挙げられている『嫌な性質』と『称賛に値する性質』を眺めてみてください。実はあなたがリストアップした10個の性質は、すべてあなたの中に深く根差したあなた自身の性質です。相手に大嫌いな性質を見るとき、人は実は自分の中の大嫌いな性質を鏡のように相手に見出しているのです」
(同)「そして、素晴らしいと感じる人の性質は、実は人は自分の内面に同じ性質を持っていて、相手と同じように自分もその性質を育てて自分の特徴にしたいと願っているのです。人間関係の鏡の法則とは、『目の前にいる人はあなたの内面を映し出す鏡だ』ということを教える法則です」
そのうえで、人間関係が、自分自身の内面について、自分では気づかないところを鏡のように映し出します。目の前の相手は鏡ですから、人は自分の中にない性質を相手に見出すことは不可能ということになります。
(木村さん)「1人の人について、人それぞれ述う印象を持つのはこのためです。たとえば、Aさんという人物について、BさんとCさんとDさんの評価や印象が分かれるのは、BさんとCさんとDさんが内面にそれぞれ違う性質を抱えていて、 それぞれがその反射をAさんという人物の中に見出すからなのです」
縁起を大切にする日本人
本書は、「スピリチュアル」というより、「人生訓」に近い内容です。政治家や経営者のなかには、重要な案件の判断に占いを使用することがあります。台湾や香港では、一般的に占いや風水が日常に入り込んでいます。お金持ちはお抱えの占い師を持ち、オリジナルの風水を施すなど大金をかけています。
日本人は昔から縁起を大切にします。私たちの生活に馴染みの深い“六曜”をご存知でしょうか。結婚式は大安、お葬式は友引を避けるといったように日々の生活に密着しています。
人生訓とは、生きていく上での哲学を表しています。長い歴史の中で蓄積されてきた、幸せになるための教訓です。思考から行動に至るまでの過程で、どれほど自分を見つめられるかが大切なのです。運を悪くするにも、運をよくするにも法則があります。運をよくしてチャンスをつかむには、よい法則を知らなければいけません。
[本書の評価]★★★(75点)
【評価のレべリング】※標準点(合格点)を60点に設定。
★★★★★「レベル5!家宝として置いておきたい本」90点~100点
★★★★ 「レベル4!期待を大きく上回った本」80点~90点未満
★★★ 「レベル3!期待を裏切らない本」70点~80点未満
★★ 「レベル2!読んでも損は無い本」60点~70点未満
★ 「レベル1!評価が難しい本」50点~60点未満
星無し 「レベル0!読むに値しない本」50点未満
尾藤 克之(コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員)
14冊目となる著書『3行で人を動かす文章術』(WAVE出版)を上梓しました。