雨上がり宮迫さんとロンブー亮さんの罪はどこまで重いのか?

お笑い芸人の雨上がり決死隊の宮迫博之さんとロンドンブーツ1号2号の田村亮さんが、いわゆる「闇営業」をしていた問題。先週お2人の会見がありました。

NHKニュースより:編集部

今までの経緯をすべて正確に把握している訳ではありませんが、たまたま20日の夕方の生中継を見る機会がありました。それを聞いて、今回の騒動が大きくなったのには、3つの要因が重なっているからだと感じました。

まず「闇営業」です。契約している会社に無断で仕事をして金銭を受け取っていたとすれば、問題は会社との雇用契約がどうなっているかです。副業に関して曖昧な契約しかしていないのであれば、必ずしも問題とは言えない可能性があります。これは事実関係を調べればわかることです。

次に、当初金銭を受け取っていないと「嘘をついたこと」です。当初は曖昧に誤魔化せると高を括っていたことが、一般大衆を舐めてると反感を買いました。嘘はもちろん許されるものではありません。しかし、時間が経ってしまったものの、会見では過ちを素直に認め、謝罪しています。

そして、3つ目が反社会勢力とのつながりです。金銭を受け取ったのが反社会的勢力だったというのは、大きな問題です。しかし、それより大きな問題は、どうやったら反社会勢力の人かどうかを判断できるのかという現実的な対処法です。

また、宮迫さんが写真週刊誌で窃盗犯とのツーショットの写真が掲載された件も、たまたまお店で写真撮影をお願いされて応じただけと説明しています。これが本当に事実なら、防ぎようがありません。

印象だけで世論が形成され、それによって当事者たちが大きな精神的ストレスと仕事のダメージを受けていく。番組を降板させられ、会見で涙を流して謝罪しお笑い芸人は、果たしてこれから今までのような仕事をすることができるでしょうか。

自分の甘さが招いたことだから、このくらいの社会的制裁は当たり前だという冷たい声も聞こえてきそうです。犯した罪とそれに対して失ったものを比較すると、やり過ぎだと感じる私の感覚は「甘い」のでしょうか。

今回の騒動の当事者で一番心を痛めているのは、彼らが闇営業で忘年会に出席したという振り込め詐欺の被害にあった方たちです。そんな被害者の方々の感情を当初からきちんと理解し、真摯に対応していれば、これほどの大きな問題に炎上することは無かったのではないでしょうか。

会見が終わった週末になると、今度は本人たちに対する世論の厳しい視線だけでなく、今度は吉本興業の経営体質にも批判の矛先が向かっています。トカゲのしっぽ切りで事実を曖昧にし、時間稼ぎをするという同社の初期対応は、メディアと関わりのある企業とは思えないスピード感に欠けるものでした。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2019年7月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。