玉木さんは自ら永田町のユーチューバーだと言っておられたから、多分、大丈夫だろうと思っている。
令和になってから初めての国政選挙であったが、投票率が5割を切ってしまったという意味では選挙史に残る注目すべき選挙であった。
特定枠を活用して2名の重度障碍者の方が当選した、ということからすれば、世界の歴史に残る選挙だった、と言ってもいいだろう。
しかも、通常なら泡沫候補のまま終わってしまったであろうNHKから国民を守る党が奇抜な政見放送や奇抜な選挙戦術で1名の参議院議員を誕生させた、ということも後世に残る特筆すべき出来事だったと思う。
れいわ新選組の登場自体が画期的な出来事である。
れいわとN国が令和時代の選挙を変えた。
そういう意味では、維新も選挙を変えたと言っていいのかも知れない。
SNSをフル活用する選挙。
政見放送自体は最高の選挙戦術とする選挙。
供託金はじめ選挙に要する費用をSNSを介して調達する最初の選挙。
街頭演説の会場を一種のお祭り会場にし、しかもそこで寄付金を募る選挙。
これまでにもそういうことにチャレンジされた方がどこかにおられるかも知れないが、私が知る限りそういう選挙戦術で候補者を当選させることが出来た人は一人もいないはずである。
れいわ新選組から2名、NHKから国民を守る党から1名の参議院議員が誕生することになったのだから、これだけで日本の選挙は変わったと言っていい。
勿論従来の、箱を活用しての選挙運動もあちらこちらで展開されており、それなりの成果を収めたことが確認出来るのだが、箱を飛び出しての選挙運動にも相当の効果があることが実証された選挙であった。
放送法が改正され、来年はNHKがテレビ放送とインターネット放送を同時に行うようになる。
民放もNHKに追随するはずである。
これに伴って、選挙も変わる。
テレビは見ないがスマホは見る、という国民がどんどん増えている。
そのうちに、殆どの国民は、スマホで選挙を見る、選挙に参加する、という時代になっていく。
今回のテレビの選挙報道番組はつまらなかった、という声が圧倒的だった。
しかし、テレビが選挙の公正を害さない範囲で自由に選挙報道番組を作るようになれば、選挙の面白さが大方の国民に簡単に届く時代がいずれやってくる。
要はコンテンツの作り方次第。
私にはとても思い付かないようなことを、N国がやった。
過去にもいくつか同じようなことがあったのだが、殆どの有権者は奇異の目で見るだけで投票はしなかった。
しかし、今は明らかに違う。
玉木さんはじめ若い方々にとって、今回の参議院選挙は大変な教訓になったはずである。
令和の時代にふさわしい新しい選挙運動を実行されるといい。
いよいよ本格的なインターネット選挙運動の時代が始まりそうである。
今回の選挙で思ったほどの成果を挙げられなかったのかも知れないが、無限のチャンスが皆さんの目の前に広がっているように、私には見える。
共産党は、党官僚主導主義や教条主義から卒業できれば従来の共産党の殻を破ることが出来るはず
共産党の候補者が今回の参議院選挙で無所属を標榜して立候補することになった、というニュースを見た時は、腰を抜かすほどではないが、それなりにビックリしたものだった。
共産党がそこまで柔軟になったのか、共産党の選挙戦略がそこまで進化したのか、共産党がそこまで野党間の選挙協力にご執心なのか、これは容易ならざる事態だぞ、と元自民党所属の国会議員として思ったものである。
かつての共産党とは大分雰囲気が変わっているようで、かつての教条主義や官僚主義を克服した新しい共産党、若者の人気を博する可能性がある柔軟で、瑞々しい共産党のイメージが何となく漂ってきた。
かつての共産党を知らない若い方々からはそれなりの支持を得られるんじゃないかな、と思ってきた。
実際に若い方々の間では共産党を支持される方がそれなりの割合でいる、というデータがあるようである。
結構、若い素敵な女性の候補者が共産党の看板で出ている。
人権問題に熱心で、市民活動に汗を流している理論火家肌の候補者も何人もいる。
皆さん、弁が立つ。
共産党の市長が出るくらいだから、今の共産党はかつての共産党とはいささか体質が違うのかも知れない。
この参議院選挙ではどうなるかな、と見ていたが、東京でも埼玉でも議席を獲得した。
相変わらず共産党を公安調査庁の監視対象団体として危険視する方々もおられるようだが、大方の国民はそれなりに共産党の存在を受け容れておられるようだ。
これで、共産党が党名を変更するようにでもなれば、もっと支持者が増えるかも知れない。
まあ、そうは言っても、共産党の官僚主義や教条主義はそう簡単に克服できるとは思わないが…。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2019年7月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。