超劇薬!話題の『全裸監督』の攻め方に拍手喝さい!ピエール瀧さんも出演

田中 紀子

昨日は、Netflixが時代を変えてくれるのでは!?と、本当にスカッとしたのですが、8月8日から配信された、超話題作「全裸監督」もう皆さんご覧になりましたでしょうか?

私は、この所仕事が立て込みすぎて、すっかり嫌気がさし、「ちょっとだけ現実逃避しよう…」と思ったのが運のつき、
夫と昨日の夜中イッキ観してしまいました。

いやぁ~、面白い!面白すぎる!
時代の空気感をぶっとばすような攻め方とタブー無視、心からすか~っとしました。
これシーズン2もでるんですかね?早く観たいなぁ。

この「全裸監督」80年代を生きた人なら覚えておられる方も多いと思いますが、「SMっぽいのすき」でデビューした、わき毛をはやしたAV女優 黒木香さんの生みの親であり、愛人関係にもあった、お騒がせAV監督の村西とおるさんの半生を描いた作品なんです。

そしてこの村西監督役を、なんとあの超人気俳優の山田孝之さんがなさっているんです。
ひぇ~!!!しかもすっごく雰囲気出てて似てるんですよね~。

もう、何がすごいって、全編にわたってもちろんエロいんだけど、これがまた「ゴクっ」って感じの、目が血走っちゃうようなエロさではなく、「わははは!」と爆笑出来ちゃうようなエロさなんですね。

いや~、さすがに子供とは観れませんけど、(ってか大人向けって指定入ってますし)夫と二人、初めてこんなエロい男女の絡みばかり出てくる映画を、リビングで爆笑しながら見たわ!って感じ。まず、この明るく笑えるエロさに対する演出や脚本がすごい!と思いましたね。

それとあの時代の空気感。ご存じない方に少し説明させて頂くと、黒木香さんは私と同い年で、バブルの絶頂期に時代の寵児となりました。

なんせ社長令嬢で女子学院から横浜国大といったインテリ現役女子大生が、AV女優さんとなり、その経歴を顔出しで公表。
しかも16歳から剃っていない!というわき毛を堂々と見せた。
もうですね~、日本の「恥の概念」を根底から覆した人なんですよね。

しかもお嬢様らしい、とても丁寧な話し方とボキャブラリーの豊富さで、テレビタレントとしてもひっぱりだこ!となられたんです。「黒木で御座いま~す」というものまねも大流行しました。私なんかも大好きなタレントさんでしたね~。本当に個性的な方でした。

で、今回はその裏に隠されたお母様との確執みたいなことも書かれていて(これが果たして事実か分かりませんが)、
黒木さんが何故AVの世界に飛び込んでいったのか?ものすごく共感できるんですよね。
「あぁ、黒木さんACの仲間なのね!」って感じ。
新人女優さんの森田望智さんも渾身の演技で「凄い女優さんが出てきたなぁ!」と思いました。

さらに!何が驚いたって、人気俳優の山田孝之さんが、度々ブリーフ一丁の姿となり、めっちゃくちゃいやらしいことをガンガンやるんですね。山田孝之さん攻めてる!なんというかもうすべてを振り切っている感じ。
これがこのドラマの最大の感想です。

そして!とっても嬉しかったのは、ピエール瀧さんが結構重要な役どころで、バリッバリに出演されているじゃありませんか!もちろん配信停止なんてばかげた騒動にもならず、あの瀧さんならではの役どころを存分に楽しませてくれます。

し~か~も!この件に関し、村西とおる監督はTwitterで、


と書かれているじゃありませんか!さすが元前科者のつぶやきは違う!
そう!全くもってその通りでございます。

前科者になろうがなるまいが、どんなピンチに陥ろうと、その人のその後の人生は続く訳で、生きていかなきゃならない。
だったら「前科があっても人生やり直せる!」と、多くの人に思って貰った方が社会のためじゃないですか。
NHKなんかオンデマンドの配信停止って、なんで片側の国民の意見しか聞かないのか?腹が立って仕方ないです。

その点、村西監督ご自身が、前科7犯、借金50億 FBIにつかまり懲役370年を言い渡された男ですからね。
そこから不死鳥のように蘇った経験は、そりゃあ多くの方を勇気づけることでしょう。

かくも挑戦的なネットコンテンツが充実してくると、もう地上波なんかバカバカしくて、ますます観る機会がなくなりますね。

大衆におもねった、正義感ぶったコメンテーターが薬物依存を叩く番組に早く消滅して欲しいと願うと共に、ネットコンテンツが時代の閉塞感を打ち破り、どんどん新たな挑戦を続けて欲しいと願うばかりです。

この「全裸監督」世界190カ国に配信されるそうですけど、果たして海外の反応はいかに!?
「全裸監督」の大ヒットを祈願致しております。

だけどドラマの注意事項でもおっしゃっておられますが、電車などの公共の場と、未成年者と観ることは絶対におススメしません。くれぐれもご注意を。


田中 紀子
公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表
国立精神・神経医療センター 薬物依存研究部 研究生
競艇・カジノにはまったギャンブル依存症当事者であり、祖父、父、夫がギャンブル依存症という三代目ギャン妻(ギャンブラーの妻)です。 著書:「三代目ギャン妻の物語」(高文研)「ギャンブル依存症」(角川新書)「ギャンブル依存症問題を考える会」公式サイト