「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」が展示内容で社会的に物議を醸し、中止に追い込まれた問題は、芸術監督の津田大介氏や、企画アドバイザーを務めた東浩紀氏が、開幕前のニコニコ生放送での発言について謝罪するに至り、沈静化の兆しも見え始めているが、11日に放送された地上波テレビでは、有識者らが相次いで運営側や津田氏に対し、厳しく批判する意見が出た。
これまで地上波テレビは、TBSやテレビ朝日の報道番組を中心に主催者側に擁護的に見えなくもない論調が主流になると見られていたが、「異論」が出てきたことがネットの注目を集めている。
“口火”を切る形となったのは、午前7時30分から放送されたフジテレビ系列の「日曜報道 THE PRIME」。月1回ペースで番組に登場する櫻井よしこ氏と共に出演したのが橋下徹氏。【櫻井・橋下の“憤激”放談】と銘打って、悪化する日韓関係などの日本政治を取り巻く問題について議論した中で、「表現の不自由展」の問題が取り上げられた。
櫻井氏が
公費でやっているわけですよね。天皇陛下の肖像画がメラメラと燃やされるビデオもあったということで、どこの国に自国の元首の写真をメラメラと燃やすのを公費で国際的な所で展示する国があるのか。ないと思います。民間の美術館でやるのならまだいいんだけども、このような場所(公的施設)でこのようなお金(公費)でやるのは間違い。
と厳しく指摘した。
一方、橋下氏は
日本のリーダーだから、元首だからということじゃなくて、そもそも個人の肖像を燃やす展示は民間の美術館で(も)あってはならない。それは違うと思う。
と原理原則論で問題があったとの認識を示した。また慰安婦像の展示について橋下氏は、
反日の内容だからダメというのはそっちはそっちで危険とは思うんです。ただ政治的な主張の芸術作品であったことは間違いない。内容の判断ではなく手続きとして公平性にやればよかったと思う。どういうことかといえば慰安婦像を展示していたわけでしょ?逆に「日本は全然悪くなかった」という主張もあるわけです。
不謹慎かもしれないが、実際、多額の通帳で振り込まれていたのはあった。ある程度、自由な生活を得られていたという慰安婦の方もいた。通帳を持ってにこやかにしてる慰安婦像も出して、お互いそういう表現がいいのかどうか、お互いの政治的主張が並ぶような本当の表現の自由だったらいいのだけども片一方だけ、「日本がダメだダメだ」というところだけを出したのはよくないと思う。
などと、表現の不自由と言いながら特定の立場のみに偏向した展示の仕方に問題があったとの認識を示した。
一方、午前9時54分からのTBS系列「サンデー・ジャポン」でも、「表現の不自由展」が取り上げられた。コメンテイターで出演したデーブ・スペクター氏は、
不自由の表現(※発言ママ)の趣旨には合っているが、いろんな側面がありすぎて正しい選択とは思わない
とコメント。少女像についても「慰安婦が未成年みたいに思わせる印象操作」と指摘した上で、
一つは、ビジネスになっている。あれ建てるとうん百万も貰ったり、いろんな国に設置してるんですけど、その背景を知ると裏にある団体とかあまりにも複雑すぎて。安易に飾るものではないです。オブジェとして。しかもオリジナルではないわけですからね。
と政治的な策謀が裏にあるとされる実情に踏み込んだ。そして、昭和天皇の肖像を燃やす映像については、
あれは芸術品とは思わないですよ。あれは普通は、どこかのデモか抗議、活動家たちがやるようなもので、芸術性も感じないし、想定はできたはずですから、やっぱりこれはキュレーターをやった津田さんの選択の判断ミスだと思います。
と津田氏の責任を厳しく指摘した。医師でタレントの西川史子氏も
かなり不快ですね。河村さん(注・名古屋市長)が言っているように「自由は自由なんだけども、何をやってもいいわけではない」というのに賛成ですね。
などとコメントした。
ネット上では、津田氏らに批判的な人たちから、こうした地上波で出てきた「異論」について
日曜報道の方は櫻井よしこさんと橋下徹氏の討論で見応えあり。あいトリの天皇冒涜はコメントだけ。サンモニはすごいね。天皇冒涜は無かった事にして表現の自由論を大プッシュ!これもう放送法違反やね。
「日曜報道 THE PRIME」と「サンデーモーニング」(TBS系)と比較する意見や、
地上波でこういう番組が見たかった。
デーブ・スペクターに一票!
などと評価する書き込みが相次いだ。