こんにちは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。
8月11日は予告通り、参院選後初&あたらしい党・AFEE共催として初のコミケ前街宣を行いました。
灼熱の時間帯にもかかわらず30人近い方が足を止めて演説を聞いてくださり、また300枚用意していたチラシは一瞬でなくなる事態に…!
個人的には山田太郎・参議院議員をリスペクトするあまり登場してしまった「小山田太郎さん」が、表現の自由についてたどたどしく語っている様子がツボでした。
(正体はあたらしい党事務局のK氏という噂)
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国会議員になってから初のコミケ街宣ということで、これまでの都政マターだった不健全図書の指定やビッグサイト問題だけでなく、ブロッキングやダウンロード規制・図書に対する軽減税率についてなど、国政マターも多岐に渡って触れさせていただきました。
そして毎回繰り返し述べているのが、
「自由は放っておけば侵害される。闘わなければ守ることはできない」
「多くの権力者や政治家たちが、表現の自由を規制しようと虎視眈々と狙っている」
ということです。
つい先日もアメリカの銃乱射事件を受けて、トランプ大統領が「暴力的なゲーム(表現)に規制が必要だ」という旨を発言しています。
米国銃撃事件を受けトランプ大統領が会見、「暴力的なゲーム」取り締まりの必要性を指摘
https://www.gamespark.jp/article/2019/08/06/91929.html
まさにこれが典型的な事例と言えますが、なぜ政治家はゲームやアニメなどの表現を目の敵にしたがるのでしょうか?
それは端的に言えば、「わかりやすく、御し易い仮想敵だから」です。
何か痛ましい事件が起こったときに、人々は「どうしてこんなことが…!」と不安になりますし、わかりやすい対策を求めます。
そこで「実は○○が原因なんです!それを規制すれば解決します!」ともっともらしく断定する人が現れれば、なんとなく頼りがいがあるように見えるし、支持してしまいがちなのが大衆心理です。
つまり政治家が自身の支持を高めるために使えるし、権力者にとって都合が悪い「表現」をコントロールできて一石二鳥!というわけですね。
しかしながら、その仮想敵とされる方としてはとんだ濡れ衣であり、たまったものではありません。
マンガやアニメ・ゲームなどと暴力事件の因果関係について、科学的に証明されたデータというのは存在しないはずです。
日本でも何か特殊な事件が起きると、「容疑者の部屋から大量のアニメやゲームが発見された」という内容が報じられることがありますが、これは「容疑者のキッチンから大量の米が発見された」というのと同じくらい意味がないことなのです。
何をもって「大量」と表現されるかはわかりませんが、多くの日本人が部屋にマンガやアニメを所有しています(私の実家の部屋にもたくさんある)。
「マンガやアニメを所有している人は、犯罪を起こす可能性が高い」と言われると、なんとなく納得しそうになってしまうかもしれませんが、「お米をたくさん食べている人は、犯罪を起こす可能性が高い」と言われれば、その論理のおかしさに気づくと思います。
このように科学的に裏付けのない論拠によって、スキあらば自分たちのパフォーマンスのために表現を規制しようとしてくる権力者とは、しつこいくらいこちら側も声をあげて闘い続けなければならないのです。
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そのためには、今日参加された松本ときひろ品川区議(日本維新の会)も述べていたように、一人でも多くの「味方」を国会や地方議会に送り出すべきです。
ただ残念ながら、選挙の前だけコミケ街宣にやってきて「マンガやアニメが大好きです!!」という薄っぺらい演説をし、選挙が終わった後は二度と来ない地方議員・議員候補がいることも事実。
そういう人たちは、絶賛私や松本区議が炎上中の「表現の不自由展」のような議論にも、安全圏に退避して決して加わろうとしません。
参考過去記事:
「表現の自由」と責任と。脅迫犯を検挙し、自由を後退させないための議論・対応を
https://otokitashun.com/blog/daily/21271/
今回のあいちトリエンナーレ議論は、誰が本当に「表現の自由」の立場に立っているのか、ダブルスタンダートになっているのは誰なのかを可視化する機会にもなったと思います。
こうした点も含めて、ぜひ皆様には厳しい目で政治家・議員たちの活動を見極めていただければ幸いです。
正直、今日の演説を聞いていると、あたらしい党メンバーの理解もまだまだです。
しっかりと勉強・研鑽を重ねて、冬のコミケではパワーアップした姿を見せられるよう、私が先頭に立って努力を重ねて参ります。
それでは、また明日。
編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会、地域政党あたらしい党代表)のブログ2019年8月12日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。