「売り込まずに売れる」という最強の売り方

こんにちは!黒坂岳央(くろさかたけを)です。
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欲しい物、知らない事はすぐにポケットの中のスマホで調べられる時代に、未だにハードセールスをする企業や人がいます。メルマガ登録やLine@に登録をすると、怒涛のセールス開始。同じセールスレターを何度も何度も送りつけてくる、という体たらくです。また、リアルビジネスでも飛び込み営業や、電話営業、FAX営業もあり、「売り込む、という売り方」はなくなりません。

はむぱん/写真AC(編集部)

売り込まれる事にうんざりした気持ちが、ついついTwitterに出てしまいました。

売り込みをする人はお客さんに興味がない

口を開けば、「買いなさい!」としか言わないハードセールスマン、彼らは売上には並々ならぬ関心はありますが、それをもたらしてくれるお客様には興味がありません。相手がどんな気持ちなのか?真に求めているのは何か?そんな事にはまったく興味がないのです。相手の都合お構い無しでガンガンセールスをする人は「あなたの事はさておき、お金をください」と言っているのと同義ですから、断るのが苦手な人や、極稀にいる「ちょうどそれを必要としていた」という人にしか売れません。

リアルではまだ抑えていても、ネットだとその欲望を顕にする人がとても多いと感じます。PCやスマホのディスプレイの向こうにいるのは、お金ではなく血の通った感情を持った人間です。相手は知恵もある普通の人間なのに、とにかく買わせて自分が稼ぎたいという人で溢れています。

営業は確率のゲーム、というのは本当か?

営業は確率のゲームと称する人がいます。確かにその要素はあります。10人の見込み客にセールスするより、100人にセールスした方が成約する確率は単純に10倍になるでしょう。何度断られても、めげずにたくさんの人にアタックすることで、成約するのだという主張は分からなくありません。

しかし、問題はその「確率」です。ビシッとスーツを着て、ビジネス敬語を使いこなし、相手のニーズへの傾聴の姿勢があるセールスマンと、ヨレヨレのキャラクターシャツで、ボロボロの靴、フケがたくさんついた髪の毛のセールスマンとでは成約率が全く異なるのは明白です。後者のセールスマンからは、きちんと誠意ある見てくれと態度であれば買っていたであろう顧客も、相手を信用できずに買うのを見送るものです。

それを考えず、とにかく数撃ちゃ当たるで攻めるのは「営業は確率のゲーム」とは理解していても、「成約率は変動値であり、可能な限り高める取り組みにこそ営業の真髄がある」ということは理解できていないのでしょう。

売り込まない、という最強の売り方

私は様々なコンテンツを販売しています。高級フルーツギフト、英語のeラーニング、ビジネス記事、書籍、セミナーなどです。いずれも値段が付いていて、ネットショップサイトやブログを中心に販売をしています。

これまで、無理な売り込みを一度もしたことはありません。困っている人の悩みを想像し、解決する術を情報発信し、問い合わせと販売フォームを付けているだけです。売り込みなどしなくても、勝手に売れていきます。「こういうコンテンツはありませんか?発売したら絶対に買いますので、検討してもらえませんか?」と、逆に「こういう商品を買わせてくれ」という問い合わせが入ることすらあります。

売り込まないで売る3つのメリット

売り込まない、という売り方にはたくさんのメリットがあります。

まず、1つには販売してストレスがないということです。無理な売り込みをすると、心身的に疲弊します。人によっては「買ってくれない顧客」に逆恨みして、「なんでこんなにいいものを買わないのか!?」と腹を立てることすらあるのでしょう。でも、無理な売り込みをしなければ、「買う・買わない」は気になりません。欲しいと思った人だけどうぞ、というのはものすごく気持ちが楽ですし、販売者側は驚くほど自然に売れていくものです。

そして人から感謝されます。無理に売り込みをすると、顧客は怒るか後悔をします。「どうしても断れずに買わされた」という不信感が残りますから、「商品は良かったけど、セールスが不快だった!」と思われても仕方がありません。しかし、売り込まない売り方は、顧客がストレスもプレッシャーも感じることがありません。ですので、「良い買い物をした」という満足度が残るのです。

最後はリピート率が高まります。ハードセールスを受けて買わされると、「あの販売員に会いたくない」と思うものです。私は時々、まとめてインポートワインの購入をしにいっていたのですが、その時の販売員が毎回「あれもこれも」といろんなワインを買わせようとしてくるのが嫌で、商品には満足していましたがリピート購入はしなくなってしまいました。ですが、ハードセールスをされず、買った商品に満足してもらえるならリピート購入が起き、リピーターを増やせば経営は自然に安定してますます激しい売り込みは不要になります。

今はモノがない時代ではなく、逆にモノ余りの時代です。そんな時代において、ハードセールスをするのは時代に逆行しているとしか思えません。私はこれからも「売り込まない売り方」を徹底していきたいと思います。

黒坂 岳央
フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」 代表

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。