「横浜カジノ誘致」を受けて家族会が緊急セミナー!

横浜市が正式に、カジノ誘致に名乗りをあげこのところにわかにカジノの是非が問われていますが、それを受け、NPO法人 全国ギャンブル依存症家族の会が、緊急セミナーを開催することとなりました。

私も登壇致しますので、皆さま是非ご来場ください。

奇しくも本日、私が日頃勉強させて頂いているストラテジストの永江一石さんと、
横浜カジノ問題について議論となり、またしても学びがありました。

こちらがそのツイッターなのですが、

「なるほどなぁ、永江さんのような時事問題にお詳しい方でも、こんな風に思われているのだなぁ」と、
これは我々の発信がまだまだ全然足りていないなぁと実感した次第です。

今、国の何が問題かというと、「カジノを作れば必ずギャンブル依存症者は出る」という事実を隠そうとすることですね。

だから「入口対策で防げる!」というロジックを声高に叫んでくるわけです。けれども海外の場合は「カジノは作りますよ。なぜなら税収が増えるから。そのかわり派生するギャンブル依存症問題が最小限で済むような対策もしっかりとやりますので、作らせて下さいな!」という姿勢なんですね。

だからスイスなどは、既にカジノがありますが、さらにオンラインカジノを許可するにあたって、なんと国民の7割以上が賛成したんです。なぜならそれによって更なるギャンブル依存症対策が進むから!という理由です。

スイスでオンラインカジノ解禁へ 国民投票で可決、アクセス遮断権限で依存症対策強化

これって今の日本の現状から考えると、信じられないことじゃありませんか?
でも、我々から見たら至極当然のことで、なぜこんな当たり前のことが、わが国では実現できないのか?むしろそちらの方が不思議でなりません。

一つには、政権がギャンブル産業と癒着しすぎていて、

「ギャンブル依存症による社会負担なんかちったこっちゃねぇ!ギャンブル依存症者こそ上得意様。我々が儲かればあとは関係ねェ!規制なんかすんなよ。儲かったら票と金の応援はしてやるから!」
「越後屋、お前も悪よのぅ~。うひひひ…宜しく頼むよ。」
みたいな構図がはびこっているからではないかと思います。現に、既存ギャンブル産業に近い政治家はうようよしてますもんね。

対して、我々は実にふがいなく、金も票も集められません。ごく一部のギャンブル依存症対策に真摯に取り組んで下さる、政治家の先生方の善意と真摯な熱意におすがりしているような状況です。

それと今回つくづく思ったのは、やっぱり発信力ですよね。
コツコツと発信はしておりますが、なかなか真意や主旨が伝わらない。

つまり「入口対策」で依存症は防ぎきれるものではなく、その効果はあくまでも限定的でしかありません。
だからこそ、入口対策を講じても罹患してしまう当事者及びその家族や周囲の人間を救っていける、出口対策の強化こそがいま最重要課題なのです。

けれども日本には、この出口対策がまだ殆どなく、ギャンブル依存症の悲劇はあとをたちません。
出口対策の強化には、お金も時間も情熱もかかります。
だからこそ「カジノ」という新しいギャンブル産業が生まれる前に、たった今から、もっと真摯に向き合い、対策を講じていく必要があります。

そういったことをいかにわかりやすく言語化できるか。
広めることができるか、味方になってくれる人や政治家を増やせるか、
こういったことが我々の使命だと思っています。

NPO法人全国ギャンブル依存症家族の会の緊急セミナー。
どうか一人でも多くの方にお越しいただけますように。
宜しくお願い致します。


田中 紀子
公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表
国立精神・神経医療センター 薬物依存研究部 研究生
競艇・カジノにはまったギャンブル依存症当事者であり、祖父、父、夫がギャンブル依存症という三代目ギャン妻(ギャンブラーの妻)です。 著書:「三代目ギャン妻の物語」(高文研)「ギャンブル依存症」(角川新書)「ギャンブル依存症問題を考える会」公式サイト