こんにちは!黒坂岳央(くろさかたけを)です。
■Twitterアカウントはこちら→@takeokurosaka
家賃ほど、その人の価値観が全面に出てくるものはないように感じます。「家賃の目安は収入の25%」という主張が一般的ですが、多くは「収入の30%」と予算を超えた家賃を支払って生活しているようです。
ライフルホームズの記事によると、「本当は20-25%に抑えたいけど、実際に住んでいるのは30%」と、理想と実情の差が浮き彫りになる格好となっています。そうなると湧き上がるのは「職場から近いが、家賃が高い物件」と「職場から遠いが、家賃は安い物件」という論争です。
Twitterにも家賃への思いの丈をぶつけることにします。
よく「年収の◯%がその人の適正家賃」などの主張があるが、いつも「当てにならない指標だ」と感じる。たとえば職場から近い物件を借りて、余暇時間に複業にあてるなら家賃が割高でも、コスト高を吸収できる。実際、自分は職場から近い家に住んでいたので、会社員をしながらネット起業できた。
— 黒坂 岳央社長@起業家・作家・講演家・投資家 (@takeokurosaka) August 27, 2019
年収400万円の適正家賃とは?
年収400万円の独身会社員の可処分所得は、ざっくり330万円ほど。ひと月あたりに直すと、27.5万円です。
家賃20%:約5.5万円
家賃25%:約6.9万円
家賃30%:約8.3万円
となります。家賃5万円代で都心に住むのは、かなり厳しい条件に思えますがシェアハウスを利用したり、都内でも場所と築年数によっては実現不可能ではありません。しかし、
「かなり築古」
「駅まで自転車」
「周辺環境と治安に難あり」
など許容するべきポイントが複数浮上してきます。ですが、家賃を30%まで許容すれば選択肢はかなり広がります。
私は江戸川区の築2年で駅徒歩6分の賃貸マンションに7.5万円ほどで住んでいた事があります。最寄り駅から東京駅までわずか20分ほど、新宿駅まで30分程度というロケーションでしたから「都心」と呼んでも、差し支えないない場所ではないでしょうか。
8万円出せるなら「独身者が都心に快適に暮らす」に現実的な数字ではないでしょうか。5万円台ではかなり不便さを強いられますから、年収400万の場合は家賃7-8万円というのが個人的には理想的な数字に思えます。
短距離通勤 VS 長距離通勤
そして持ち上がってくるのは、「職場から徒歩圏内の超短距離通勤か?それともより安い物件に住む長距離通勤か?」という議論です。
私は昔、茨城県・つくば市にも住んでいた事があります。つくば市から千代田区の職場まで「茨城県→千葉県→埼玉県→東京都」と4県を通過していた事になり、電車に乗っている純粋な時間だけでも1時間半近く。ドア・ツー・ドアだと2時間ほどでした。
そうなると、会社を20時に出ると家につくのは22時。お風呂に入ったらもう寝る時間になってしまいます。また、帰るだけではなく、翌朝も早く出なければいけませんから早起きが必須、家に帰って使える時間は極めて短いのです。
翻って職場まで徒歩10分、15分という場合は状況が一変します。私は今、まさにその状況で家から会社まで車で10分ほど。18時に会社を出ても、18時10分には自宅にいることになります。朝も始業まで時間がありますから、つくば市に住んでいる時とは文字通りケタ違いの「お金持ち」ならぬ、「時間持ち」でした。
複業はまとまった時間が必須
長距離と短距離通勤を両方体験して分かったことは、「アウトプットをするには、まとまった時間が必要」ということです。英語の勉強などは通勤電車の中や、職場の休憩時間にすすめることができますし、自分も電車の移動時間にかなり英語力を高めたという経験があります。しかし、ネットで複業をするという活動などは集中して、デスクに向かう時間を捻出する事がどうしても必要です。
ブログなどの記事を書いて見込み客を集める
商品・サービスの販売ページを充実させる
メールで顧客対応をする
こうした事は10分の細切れ時間が6回あるのではなく、1時間というまとまった時間を1回持つことでしか対応できません。となると、長距離通勤者が複業をするにはかなり厳しいと言わざるを得ないのです。
無理して家賃高の物件に住む事は、「英語の勉強に集中したいから」「読書をしたいから」という理由では合理的な選択とは思えませんが、「複業で稼ぎたいから」ということであれば合理的な理由になり得るのです。
短距離通勤だから起業できた
私は起業をする際、会社員として働きながらでした。そしてビジネスが軌道に乗ってから退職をしました。それができたのも、職場まで電車で20分前後の物件に住んでいたからです。朝、5時に早起きしてPCを起動させ、ひたすらネットショッピングサイトを構築し、顧客サポートをしながら売上をあげていました。朝起きて出勤するまで2時間以上のまとまった時間があったからこそ、実現できたことです。
これがもしも、片道1時間半といった遠距離物件に住んでいたら、起業したビジネスを安定させて会社員を辞める、ということはできなかったと思います。
そう考えると、「年収にあった適正家賃」など存在し得ないように思えます。「余暇時間に何をするか?」で決まるからです。「家に帰ったら何もせずに過ごしたい」というなら、多少遠くても家賃の安い場所に住むほうが良いのかもしれませんが、「家にいる時間をすべて、ネット起業に費やす!」という事情があるなら、多少背伸びして家賃の高い、職場から近い物件に住む方が良いでしょう。複業をするなら、その複業から得られる収益が割高分の家賃を吸収してくれるからです。
「年収に応じた適正家賃とは?」に対する明確な答えはないように思えます。
黒坂 岳央
フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」 代表
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