バングラデシュのダッカは「半世紀前の東京」

内藤 忍

朝から写真のような食事ですが、バングラデシュに行ったのは、カレーの研究が目的ではありません(笑)。インナーサークル資産設計実践会メンバーと首都ダッカの不動産の視察をするのが目的です。

バングラデシュのダッカでは、日本のJICAが協力して、中心部にモノレールで鉄道による環状線の建設を進めています。その一部は、来年末に開通する予定です。東京で言えば、これから山手線を作るような話です。

また、高速道路の建設も急ピッチで始まっています。中心部の渋滞解消が目的ですが、これは東京の首都高速を作るような話です。

ダッカの人口密度は、既に東京の8倍。人口は、今も東京より急ピッチで増えていますから、その差は広がる一方だと思います。

そして、バングラデシュの経済成長率は年7%を超え、国民の平均年齢は20代半ば。

高度経済成長期を迎えつつあった「半世紀前の東京」のような、熱気に包まれています。

国内にはない投資の機会を求め、日本人投資家が注目していますが、思わぬ落とし穴にも気をつけた方が良いと思います。

ダッカ市内(2017年撮影 ASaber91/flickr=編集部)

価値のない土地を絶対に値上がりすると説明し、投資家を集める日本人ブローカーについての相談が増えています。私はお取引がありませんから、ノーコメントとしか言いようがありません。

ただ、明らかなことは、投資には確実は無いということ。「絶対」値上がりするというセールストークをしている時点で、信頼に値しないということです。

バングラデシュに限らず、海外不動産投資はリスクが高く、誰にでもお勧めできるものではありません。

海外不動産に投資しなくても、外貨投資は可能です。低コストの外国株式に投資するインデックスファンドや、為替手数料の安いFXで外貨資産を構築するのも、賢明な方法です。

金融資産と異なり、「歪み」の大きな実物資産は、誰と付き合うかが極めて重要です。新興国の不動産であれば、その傾向は、一層強まります。

資産設計実践会メンバーと「誰と付き合うか」を見極めた上で、タイムマシンで「半世紀前の東京」にリスクを取って投資してみようと思います。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2019年9月1日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。