こんにちは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。
昨日も4つの省庁から概算要求についてレクを受けました。
ラスボスと言われる(?)財務省さんとの意見交換では、やはり来月からの増税と軽減税率についてが話題に上がり、かつての浮かんで消えた「幻の財務省案」を懐かしむことに相成りました。
そもそも財務省は複数税率化を伴う軽減税率の導入には一貫して難色を示しており、これを押し切ったのが公明党と言われています。
公明党からの要求をなんとか交わすために提案していたのが、マイナンバーカードを駆使して対象品目については「2%分をポイントとして還元する」制度です。
消費税10%時に2%分還付 財務省案、与党に提示:日本経済新聞 (2015年9月)
財務省案は、16年1月に運用がはじまる税と社会保障の共通番号(マイナンバー)制度で希望者に配布される「個人番号カード」を使う。消費者は買い物の際、店頭の端末にカードをかざし、購入額に応じたポイントを取得。インターネットなどで税務署に申請すると、蓄積したポイントと交換で2%分の還付金が指定口座に振り込まれる。
しかしこれに対して、なんとしても軽減税率を導入したかった公明党は「痛税感が緩和されない」とか、「マイナンバーカードを利用する不便さがある」とかなんとか言って、この財務省案を潰してしまったわけですね。
情報元:
消費税の負担緩和 軽減税率は財務省案より効果的(公明党HP)
この時点で公明党を含む与党は、自分たちで制度を作っておきながらマイナンバーカードの普及に熱心でなかったことが伺えるのですが、結局は一周回って「マイナンバーカード普及策&景気浮揚策」として、マイナンバーカード保有者に買い物ポイントが付与されることになりました。
マイナンバーカード保有者に買い物ポイント 導入へ 政府(NHKニュース)
ほとんど「幻の財務省案」に戻ってきたというか、完全に軽減税率で物事が悪化しただけになっています。。(それにしても麻生大臣のコメントはひどい)
もちろん手続きの煩雑さはゼロではないものの、マイナンバーカードへの還元&ポイント付与に一元化すれば、消費者や事業者が軽減税率(複数税率化)で負う莫大な事務負担はかなり軽減されるはずです。
もっと踏み込めば、マイナンバーカードが普及して資産・収入状況等を正確に把握できるようになれば、ポイントすら付与しなくても税額控除を行うことで、極めて合理的に再配分を行うことができます。
ということを考えていたら、足立康史代議士も「あだチャン」でもっと詳細な解説をされていましたので、こちらもぜひご参照下さいませ。
よって私たちは消費増税の凍結・軽減税率の撤廃を、引き続き強く訴えかけていきます。
目先の対応に追われる与党、とりわけ軽減税率を主導してきた勢力が、いかに政策を捻じ曲げてきたかについてぜひ知っていただければ幸いです。
それでは、また明日。
編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会、地域政党あたらしい党代表)のブログ2019年9月4日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。