「月曜日の朝出社」に命を懸ける人たち

台風15号は昨日の深夜に関東地方を通過し、東京は朝から晴れています。

一部の地域で停電があったようですが、大きな被害には至らず一安心です。

しかし、SNSの投稿などを見ていると、今朝の公共交通機関の混雑はかなり醜いものになっているようです。運転再開の情報を聞いて通勤客が殺到し、駅の入場制限や長い行列があちこちで発生しています。こちらの「被害」の方が大きな問題です。

会社員にとって、「月曜日の朝」には特別な意味があります。多くの会社では、月曜日の朝に社員を集めてミーティングを行っており、そこに出席することがとても重要なことになっているのです。

海外に出かけるスタディツアーにも、月曜日は参加できないという人がいます。理由を聞くと「月曜日の朝に全体ミーティングがあるから」と言われたりします。

しかし、考えてみれば、台風の翌日のような月曜日にも、激混みの電車にストレスをかけて乗って、出社することにどれほどの価値があるのでしょうか?一部の仕事を除けば、会社にいるかいないかは関係ありません。

むしろ通勤で疲弊し、その後仕事にならないのなら、懸命に出かけない方が良いともいえるのです。

もし、どうしてもミーティングに参加しなければならないとしても、テレビ会議や電話で音声だけの参加でも対応できます。そもそもミーティングの内容よりも、「出席すること」自体に価値があると思っているのです。

以前勤務していた銀行では、上司から「始業時間には、何があっても席に着け」と言われました。何があっても出社することがとにかく大切だったのです。

二日酔いで気持ちが悪くても、這ってでもとりあえず会社に行き、その後トイレの中で午前中を過ごす。そんな懐かしい思い出もあります(笑)。

台風情報に過剰に反応し、すぐに横並びで運休する公共交通機関の対応も何だかなあと思います。しかし、それ以上に、公共交通機関の運行スケジュールの変更という障害を乗り越えてでも、出社しようとする日本の会社員は、不思議な存在です。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2019年9月9日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。