「NISAの積立」と「つみたてNISA」は別物って知ってました?

投資初心者から受ける質問で最近多いのが、NISAとつみたてNISAのどちらを選んだら良いかというものです。

どちらも、税制上の優遇がある投資の仕組みですが、NISAは年間120万円まで、つみたてNISAは年間40万円までとなっています。

また、運用期間はそれぞれ5年と20年。つみたてNISAの方が期間が長い分、有利といえます。ただし、NISAはロールオーバーと呼ばれる繰越が可能で、期間延長できます。

投資できる商品に関しては、NISAの方が投資対象が幅広く、選択肢が豊富といえます。

と、ここまで聞いても、ほとんどの人には、どちらが良いかよくわからないと思います。実は、金融の専門家に聞いても明確に回答できる人はあまりいないのです。

さらに、ややこしいのは、NISAを使っても積立ができること。

「NISAの積立」と「つみたてNISA」は、一体どちらが有利なのか。私はNISAで積立が良いと思っていますが、そもそもその違いを説明するだけでほとんどの投資初心者はうんざりしてしまうでしょう。

その上に、話を複雑にするのは、NISAには、ジュニアNISAと呼ばれる子供向けの税制優遇制度もあること。

これだけ聞いているだけで、何だか面倒臭くなって、結局投資を始めるのを諦めてしまう。そんなパターンが多いのではないかと推測します。

NISAだけでも、3つの制度が並走し、どれか1つを選ばなければならない。これは投資未経験者には大きなハードルです。

選択肢が増えることは、一見良いことのようですが、内容を理解していない人にとっては、無用の混乱を招くだけです。

1つの制度に絞り込み、それがお得であることをアピールした方が、利用者は増えると思います。

貯蓄から投資への流れを加速させるためには、わかりやすくシンプルな仕組みを提供することが大切です。

小学生でも理解できるような、税制優遇の仕組みができれば、NISAはもっと爆発的に拡大していく。何回も聞かれる同じ質問に回答しながら、そんな確信を持ちました。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2019年9月17日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。