枝野氏が何を言っても、世論の支持がなければ、何の影響もない。
衆議院議長が、院の権威を保つために憲法審査会での議論の充実を求めること自体には何の問題もない。
まあ、枝野氏がファイティングポーズを取っていることを対外的に示すための一言だったのだろうが、どうやら枝野氏は噛みつく相手を間違えているようである。
衆議院議長が議長としての職責に反し、不公正な議事運営を主導していると言って議長の更迭を求めるのならともかく、具体的な非違行為を指摘しないで、ただ脊髄反射的に議長を批判するのは軽率に過ぎる。
世論の批判は、徒に憲法審査会での議論を回避しようとする野党の皆さんに向かうはずである。
何とか理屈をつけて憲法審査会の審議入りを阻止したい共産党や一部の立憲民主党の皆さんの目論見は、今回は外れるはずである。
折角合同会派の結成に漕ぎ着けたのだから、枝野氏は合同会派結成の意義を強調すべく、何事にも積極的に立ち向かった方がいい。目下の枝野氏の言動は、旧民主党を彷彿させるだけに終わっている。どこにも新鮮さが見られない。
寄り合い所帯なので今は思うようには動けないのだろうが、新機軸を打ち出さないと、早晩多くの国民から見放されてしまうことは必至ではないか。それで本当にいいのかしら。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2019年10月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。