関係は大丈夫なの?Fリーグより人気のFC中井と情報商材業者

最近、YouTubeを活用する事で、マイナースポーツの試合も注目が集まるようになっています。それを最も上手に活用している人物の一人に、フットサルチームFC中井を率いいる、中井健介さんがいます。

中井健介氏Twitterより

その方は、目指せ!Fの頂というYoutubeチャンネルを解説し、そこでFC中井が日本一のフットサルチームになるまでを追うというドキュメンタリー動画をアップしています。このYoutube効果が非常に高く、試合を行えば、今までは、プロフットサルリーグのFリーグをしのぐ人数の観客動員をしているそうです。

この人気を支えている、Youtubeの『目指せ!Fの頂』という番組なんですが、非常に謎めいた部分があります。Fの頂は、TV番組のように、声優によるナレーション、BGM、テロップなど大量に使用されて編集された15分程度の動画が、毎週、公開されています。

SNSやYouTubeに頻繁に有料広告も流される事もあり、非常にお金がかかっているように見えるものの、スポンサーが明記されていません。その上、中井さんやFの頂に関わる人のSNSに注目すると、ある情報商材業者関連の人脈が浮かび上がってきます。

ここからは、その浮かび上がってくる方々について説明します。

まず、『クビでも年収1億円』というベストセラー本の著者の小玉歩さんという方がいます。この方は、自分のTwitterフォロワー5万人に向け、Fの頂を半年間にわたり、毎回、宣伝しています。また、100人程度しかいない小玉歩さんがフォローしている方の中には、Fの頂の選手・制作陣など関係者が多くいます。

著書だけ見ていると、小玉歩さんは、よくいるコンサルタントか何かだと思うかもしれません。しかし、この方のホームページを見ると、

「やれば必ず稼げると保証さればビジネス」

「ただ金を稼ぎたいという想いから最高月収200万円を突破」

などの勧誘の文言が散りばめられており、一般的な感覚では、印象が良い感じはしません。

次に、YouTube番組『Fの頂』の撮影・編集をしている、佐藤和貴(さとかず)さんという方がいます。現在は削除されたようですが、この方の公式ページの実績の欄にFの頂とあり、同じ様にこった編集を行うYoutube動画の制作料金が15分60万円と明記されていました。正規料金で制作されていたら、Fの頂は月4〜5本アップされるので、予算は数百万円になる計算です。

その佐藤和貴さんなんですが、たった3日で動画をお金に変える方法という、いかにも情報商材という雰囲気のお金稼ぎの講座のHPの実績のコーナーに登場しています。そこで、スポーツチームに引っ張りだこの月収100万円超えのクリエイターとして紹介されているのです。

※この講座のHPは、noteに少しづつ文言の変えながら、アップされては消されを繰り返されています

HPの内容を見ると、

「スキル不要!たった3日でビデオクリエイターになる方法」

「土日に撮影するだけで1日10万円稼げるカラクリとは?」

「多忙な理系大学に通いながらも月収70万稼ぐ大学生クリエイター」

など、タイトルに負けない、想像通りの勧誘文言が使われています。

しかも、この講座を主催しているのは、長倉顕太さんという方なんですが、実は、最初に紹介した情報商材業者の小玉歩さんの著書『クビでも年収1億円』というベストセラー本の編集者なんです。そして、今は主に情報商材の販売をされているようです。

長倉顕太さんの登場により、宣伝に力を入れている小玉歩さん、動画制作の佐藤和貴さんのラインが、一直線に繋がりました。

さて、長倉顕太さんの評判はというと、顔出し記事で金銭トラブルの告発をしている方がいるようなタイプです。 

金銭トラブルの内容を簡単に伝えると、10万円の講座を申し込んだら、もうすでに50万円の講座を申し込んだものとみなされ、強引にカード決済されてしまったという内容。(後に、長倉サイドは返金)

※「たった3日で動画をお金に変える方法」もメールアドレスを登録すると、まず10万円ほどの講座が勧誘されます

ちなみに、長倉顕太さんは、今、様々な方とコラボして、いわゆる情報商材の販売をしています。例えば、今年の前半ごろには、元K-1チャンピオンの久保優太さんと、投資に関するお金稼ぎ講座を販売していたようです。

※現在、販売ページは削除されていますが、ネット上に多くの商材のレビュー記事が残っています

確かに、マイナースポーツに、現時点で、お金が無いというのが分かります。しかし、YouTubeでお金をかけた動画を展開すれば、今よりも、もっと人気が出る可能性が高いのも考えられる事も分かります。また、情報商材業者の側も、一般的なビジネスマンのような顔をして、お金になりそうな人に近づいてくるのも分かります。

だからといっても、スポーツチームを運営するのであれば、誰と組んでも良いという事は無いと思います。相手のバックグラウンドを慎重に調べ、選ぶ責任があるのではないでしょうか。

百歩譲って、個人で活動している元K-1チャンピオンという肩書の方が情報商材業者と関わっているのは容認出来たとしても、現在進行系で、子供も巻き込むスポーツチームを率いる中井健介さんは、より慎重さを求められる立場にいるのは明らかで、問題提起されてしかるべきだと思います。

というわけで、中井健介さんは、小玉歩さん、佐藤和貴さん、長倉顕太さんとの関係、ならびに、スポンサーは誰なのかを、しっかり説明するべきではないでしょうか。

また、日本サッカー協会、ならびにフットサル連盟も、自らが主催する試合に参加するプロチームをしのぐ人気を持ちつつあるチームが、どういった所がスポンサー筋なのかを全く把握しないままでいるというのは、場合によっては責任が問われてもおかしくないと思います。

というわけで、フットサルに限らず、他のマイナースポーツチーム関係者の方々には、近づいてくる業者が、どんな業者なのかしっかり調べてから組むように注意して下さい。おそらく、FC中井以外にも、似たような状況、あるいは計画を持っているマイナースポーツチームは、日本のどこかに存在すると思われます。

渡辺龍太
(コミュニケーションから居場所論を考えるなどの著書多数)
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