札幌について語るときに僕の語ること

東京五輪の会場が札幌になりそうだ。あまりに急で驚いている。正直、複雑な心境である。

もともと、スポーツにより過度に国民が盛り上がる様子については冷静になろうと思う派なのだが。東京の酷暑を避ける意味では正しいだろう。というか最初からそうするべきではなかったか。

地元で五輪、しかも誰でも見ることができるマラソンが開催されることは感慨深い。世界中の人に札幌を知ってもらう機会にもなる。

もっとも、最初から最後まで、東京五輪について計画的なようで、場当たり的で。さらには、結局のところ選手にも観客にも不誠実であることが可視化されていないか。このあたりは、あいちトリエンナーレについて私がずっと言っていることと同じである。傷ついたのはアーチストと観客だった。

札幌にするにしても、曖昧な不安はあり。なんせ、ツアー商品の変更などで混乱するし、選手はコース変更で今までの努力が水泡に帰すわけなのだが。年に数回帰省するレベルであるが、故郷に関して心配になるのはこれらの点だ。


1. 札幌も暑い

→幼いころにくらべ、30度超えの日も増えた。東京よりは5度は低いと報道されているが、それでも十分暑い。ちなみに、マラソンとは必ずしも関係ないが、数十年で暑くなっているのにも関わらず、エアコンのない家庭も多い。何度も改築している実家(絵に描いたような豪邸、郊外の洋館)も未だにエアコンはない。

2. 宿泊施設は大丈夫か?

→当初、札幌会場は想定していなかったのだが…。それでも来年の夏は、日本にやってくる外国人観光客が増えるがゆえに、夏の宿が混雑することがすでに予想されていた。さらに言うと、この5年くらいも普通に出張や帰省で行くにしても、宿がとれないことが多く(実家は郊外なので、都心に泊まることが多い)。「水曜どうでしょう」のイベントなどが開催されるときには、都心のホテルがまったく取れないこともある。宿泊施設が足りるのか、不安。

3. 交通インフラは大丈夫か?

→これもすでに起こっている問題。雪まつりなど、スノーシーズン、観光のピークになると、新千歳空港駅のホームに降りられないということがたまに起こっている。五輪が開催されるとなると、確実にそうなるだろう。臨時バスの運行などの手段も考えられるが。

もちろん、コースの設定、実験なども急ピッチで進めなくてはならない。さあ、どうしよう。酷暑の東京よりはベターな選択かもしれないが、札幌は札幌で、大変。

そうそう、札幌のことをよく聞かれるので、よく提案していることを。

1. ラーメンはどこで食べるといいの?

→まあ、どこで食べてもそれなりに美味しい。思い出づくりにラーメン横丁もいいだろう。十分美味しい。ただ、札幌のラーメンも第3世代以降に突入しており。地元で売っているラーメンガイドなどで確認。新興の名店は郊外にあるかも。ここまで言っておいてあれだが、いつも私はすすきのの「福来軒」という店に行っている。老舗。なお、空港のラーメンはあまりオススメしない。飛行機に乗る前ということもあり、にんにくが控えめか、無臭ニンニクになっているそうで。本来の美味しさではない。

2.札幌の人って、サカナクションのファンなの?

→もうメジャーすぎて、札幌のバンドという感じではない。地元のアーチストによると、一時はサカナクションが大ブレークしたので、シーンがワサワサして、若手のミュージシャンがやや「売らんかな」というおかしな方向に行ったようだけど。

「地元のバンド」として(ファンかどうかはともかく)認知されているのは、老舗メタルバンド、SABER TIGER。

あと、これまたもう「地元のバンド」を超えているけれど、怒髪天。

他、伝説の札幌のバンドといえばフラットバッカー。オネエ言葉で「いい加減にしなさいよ、今に痛い目にあうわよ」と歌うのは、時代の先の先を行っていた。ライジングサンの北海道出身者の曲をセッションする企画でも取り上げられたとか。

3.オススメの店はどこなの?

→うーん、美味しいものはたくさんあるけれど、「たかさごや」かなあ。地元の人が美味しいと思うものを出す店。

他、友人のお兄様がやっている「こばし」というお店は、札幌では珍しい天ぷら屋。ミシュランの低価格部門で星をとったお店。

お寿司は「菊鮨」。いや、美味しいお寿司はいっぱいだし、ミシュランで星をとったお店もあるけれど。私はいつもここに行く。

一つのお店で札幌らしいものを一通り食べられるという意味では「さっぽろっこ」「くし路」をよく案内する。母の親孝行接待で使うのはセンチュリーロイヤルホテルの「北乃路」。

まだまだあるけれど、こんな感じ。

したっけ。


編集部より:この記事は常見陽平氏のブログ「陽平ドットコム~試みの水平線~」2019年10月18日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。