スーツを脱ぎ捨てて得られること 〜 釜石から送る②

こんにちは、東京都議会議員(町田市選出)のおくざわ高広です。

前回の記事で書いたとおり、釜石に来ています。今日は、台風19号の災害ボランティアに参加してきました。私のように個人で参加している人もいれば、企業や団体で参加している方々もおり、全部で100名ほどの方がいました。

私は、午前は畳や家財の運び出し、午後は土砂の運び出しにマッチングされ、一日汗を流してきました。

参加してみて改めて、困ったときほど人の力が必要だということ。そのために、日本にボランティア文化を定着させることが重要ということです。

イギリスの慈善団体「Charities Aid Foundation」が行った世界寄付指数に関するデータによると、

・寄付金の額

・ボランティアへの参加

・見知らぬ人を助ける

の3項目で見たときに、日本は世界137カ国中111文化が違うから一概に評価してはいけないとは分かりつつも残念な結果になっています。社会貢献活動は、貢献した人の幸福度を上げるといいますが、確かにボランティアに参加されている皆さんは充実した顔をされているのと同時に、人生を楽しんでいらっしゃいました。

2016年に内閣府が日本人で寄付をしている人に行ったアンケート調査によると、その理由は、

「社会の役に立ちたいと思ったから」

「町内会・自治会の活動の一環として」

「自分や家族が関係している活動への支援」

が上位にあるそうです。また、寄附金控除制度を活用して、節税のためにという方もいらっしゃいます。

一般社団法人RFCの藤沢烈代表は、

台風19号災害について~支援の方法とRCFの方針

として、被災地支援における寄付の重要性に触れられています。

また、その受け皿として、

公益財団法人ベネッセ子ども基金

認定NPO法人カタリバ緊急子どもサポート基金

といったスピーディな動きも出ています。

※他にもあると思うのですが、私の交友関係ですぐに情報の入ったものだけ記載しました。情報入り次第追記します。

行政は、財政面での制約や公平性を守るためといった理由から、残念ながら機動力に欠けます。こうした際に、機動力があり、行政域を越えて動くことのできるNPOなどの団体を、いかに後押しできるか、制度を整えていく必要があると考えています。

また、日本人がボランティア活動に参加する際に求めているのは、お金ではない、目には見えない何か、なのではないかとも感じた次第です。以前であれば目に見える「お隣さん」との「お互い様」の関係による助け合いが当たり前になっていたのが日本だと思います。

今後は、「お隣さん」の範囲を広げ(地域ではない繋がり)、困ったときは「お互い様」の文化を目に見える形にすることが必要ではないかと思います。

今般の釜石訪問においては、民泊を利用させていただきました。昔から地域に住む方から、まちの歴史を聞いたり、行きつけの居酒屋を紹介いただきました。こうした時間に幸福を感じるのは私だけではないはずであり、シェアリングエコノミーの中には、実は経済的な側面のみならず、大切な繋がりを生み出す仕組みが備わっているのではないかと感じるところです。

この2日間で得られたものは、政治家として活動している中では絶対に得られることができないものでした。スーツを脱ぎ捨てて、暮らしの中に飛び込んでいくこと。その中で得られた経験を、政策や制度として展開していくこと。それが、私の「現場力」です。これからも、政治家らしくない政治家として、価値ある仕事をしていきたいと思います。


編集部より:この記事は、東京都議会議員、奥澤高広氏(町田市選出、無所属・東京みらい)のブログ2019年10月20日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおくざわ高広 公式ブログをご覧ください。