先週末25日(金曜日)に菅原一秀経済産業大臣が辞任しました。
9月11日に大臣に就任したばかりですからわずか1ヶ月の大臣でした。
「辞任に追い込まれた」ということですが、事の発端は週刊誌の報道でした。報道内容は平成18年から19年に菅原事務所が有権者にメロンやカニ、イクラなどを渡していたという贈答品や名前、住所が入ったリストが報じられました。もしこれが事実ならば、公職選挙法で禁じられている寄附に当たるので、国会で野党が追及していました。しかし、菅原大臣は「もらっていない」「10年以上前で覚えてない」「当時を知る秘書が今、事務所にいない」などと否定していました。
ところが辞任する前日の24日発売の週刊誌で第2弾が報じられました。今度は秘書が今月10月17日に行われた通夜で香典を出した記事が写真付きで報じられました。カニやいくらのリストを報じた第1弾が10月10日発売、それを国会で追及されてる最中の17日の通夜で今度は香典を渡したということなので、今週は国会が大炎上するのが確実ということで辞任に追い込まれたという事です。
今回は経済産業大臣の辞任ということであり、国会議員は引き続きです。ということで野党は公職選挙法違反だったら国会議員そのものを辞職しろと迫っています。
内容がカニかいくらかどうかは別として、政治家が選挙区内で有権者に対して金銭や物品を渡す、あげるというのは法律で禁止されていいます。だから、チョコレートやガムを渡す、配ることも当然駄目です。さらに結婚式のご祝儀も通夜・告別式の香典も、政治家本人が出席をして手渡す以外は禁止されています。週刊誌には秘書が持っていった写真が掲載されていたわけですが、秘書や家族が持っていくことももちろん禁止されています。
ちょっと考えればわかることですが、選挙区内の支援者の冠婚葬祭がある度に、御祝儀や御香典を持っていくとなれば相当お金がかかります。そうなったら「あっちの政治家は持ってきたのに、こっちは持ってこない」となり、結果的に資金量で当落が決まるということになりかねないわけです。
私が衆議院議員になりかけの頃、お祭りに行ったら「なんだ、手ぶらできたのかよ」と言われたこともありました。私は、「法律で禁止されてるんです」と説明すると、「〇〇は持ってきたぞ!」なんて挑発されたこともありました。
今回の週刊誌報道は、菅原事務所の元秘書からリストが出たようですが、そうじゃなくても有権者だって貰っていても何も言わなかった人たちがいる可能性大です。
政治家も有権者もしっかりしなきゃ駄目ですよ!
編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2019年10月29日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。