東京都議会議員の川松真一朗(墨田区選出・都議会自民党最年少)です。
大成功で閉幕したW杯
多くの皆様に応援を頂いて9月20日の開幕から11月2日の決勝まで、盛り上がりに勢いがあるままワールドカップ2019日本大会は幕を閉じました。優勝した南アフリカの強さが決勝でも印象的でした。多くの人にとって心に残る選手・シーンは何だったでしょうか?
さて、私は大会開幕直後に、このような記事を書きました。
ここには、ラグビー関係者の様々な思いの一端をご紹介させて頂きました。
実はその一方で、サッカー界の皆様に大きなお力を頂いたからこそ、大成功に繋がったということを私は強調したいと思います。
大会が終わったら、このことを書こうと開幕戦の時に心に決めていました。前述記事にあるように、急転直下で「東京スタジアム」案を浮上させた私達でありますが、実際に会場として開幕戦を迎えるにはサポーターの皆さんを含むJリーグ関係者皆さんの多大なるご協力があって実現したのであります。
Jリーグのご理解の下でスタジアム改修
東京スタジアム開催決定後に待ち受けていた課題はスタジアムの改修でした。この工事は第1期(平成30年7月〜平成31年6月)、これを五輪仕様にするための2期工事(令和元年11月〜令和2年5月)実施となっていました。特に、ラグビーW杯期間中は東京スタジアムでJリーグの試合開催不可の為、平成28年5月からクラブチームと協議を開始し、大会前後で試合開催出来るように工事工程の調整を重ねたのでした。
特に、オフシーズンとなる12月から2月にかけて集中的に工事を実施した上で、なるべく多くの試合が開催出来るようにシーズンインの前倒し、シーズンオフの後ろ送りに対応出来るよう、工事工程を調整してきたのです。
同時に東京スタジアム側としてもJリーグシーズン中は、まとまった工事休館をせずに、土日は試合が開催できるよう平日に工事を実施してきました。当然、平日に行われるJリーグの事前設営とは、お互いに安全に作業が出来るようにしました。特別観覧室の増設、トイレ改修などは、観客が利用するエリアと非常に近い場所での工事のため、クラブチームと綿密に打ち合わせを重ねて、安全性に配慮し工事期間中も試合が実施出来るようにしてきたのです。トイレ改修中は仮設トイレを設置しました。
改修工事期間中の平日に開催されたルヴァンカップもクラブチームが東京でホームゲームを開催出来るように日本ラグビー協会、日本スポーツ振興センターと一緒になって、1964年東京オリンピック以来、55年ぶりに秩父宮ラグビー場でサッカーの公式戦が開催されたのでした。
W杯仕様の各設備はサッカーで活用も
開幕戦から3位決定戦まで多くの試合を行った東京スタジアムですが、LED照明やリボンビジョンについては、W杯開催前のJリーグシーズンに間に合うように1期工事で施工完了しW杯に先立ち、6月から運用開始。演出効果がアップし試合の盛り上げ寄与出来ました。
また、芝はハイブリッド芝と呼ばれる天然芝と人工芝を組み合わせたようなものを導入したのですが、W杯後の11月12月はサッカーがハイブリッド芝での開催にどうしてもなってしまうので、昨年度にJリーグと連携して、スタジアムのピッチ脇で導入実証実験を実施していたりしました。
と東京スタジアムでの現場の調整事項を記してきましたが、重要なのはここから先です。
以上のような事情から、FC東京はなんと今季第24節から31節までの8試合全てをアウェーで戦うことになりました。8試合連続アウェーというのJリーグ史上初めての事で、大きなご負担をかける事になったのは自明です。
Jリーグ規約においても「同一大会でアウェーゲームが3試合以上連続しないこと」となっている原則を曲げてでも、ラグビーW杯にご理解ご協力を頂いたのであります。このアウェー連戦の中で比較的に近隣となるのは9月14日に鹿島だけで、札幌はじめ遠方での試合を余儀なくしてしまったのです。
FC東京の様々なご負担あって大会は成功へ
当然、敵地移動の連続は選手達に大きなストレスとなったでしょうし、サポーターの皆様にもご迷惑をおかけしたと思います。しかしながら、こういった皆様方の大英断のおかげで開幕戦を華々しく成功させて、日本代表VS南アフリカの準々決勝など数々の好ゲームを実現できたのです。3位決定戦には上皇さま、上皇后さまにもご来臨賜る事にもなりました。この東京スタジアムでの数々の感動の裏にはFC東京がいることを再度強調しておきます。
実際にFC東京のアウェーシリーズは3勝2敗2引き分け、残り1試合。日程的に苦しい中で、とりあえず負け越しではありませんでした。ですが、ラグビーW杯で多くの感動を貰ったという方は、ぜひ何かしらの方法でFC東京を応援して頂ければ幸いです!!
W杯に関わるアウェー期間のゲーム結果
24節△vsコンサドーレ札幌 1ー1 札幌ドーム(北海道)
25節〇vs名古屋グランパス 2-1 パロマ瑞穂(愛知県)
26節●vs鹿島アントラーズ 0-2 カシマスタジアム(茨城県)
27節△vs松本山雅 0-0 サンプロ アルウィン(長野県)
28節●vsサガン鳥栖 1-2 駅前不動産スタジアム(佐賀県)
29節〇vsヴィッセル神戸 1-3 ノエビアスタジアム神戸(兵庫県)
30節〇vs大分トリニータ 0-2 昭和電工ドーム(大分県)
31節 vsジュビロ磐田 ヤマハスタジアム(静岡県)【11月9日14:00キックオフ】
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32節 vs湘南ベルマーレ 味の素スタジアム(東京都)【11月23日14:00キックオフ】
ヴェルディの皆様にも当然感謝
ちなみに東京ヴェルディ1969の皆様にも通常と違う形でご負担をおかけしました。特にJ2は規定によりホームを味の素スタジアムから西が丘がに変更して使用できましたが、それでも大会期間中、ホーム4つ、アウェー9つといったご協力頂きました東京ヴェルディ1969関係者、サポーターの皆さんにも感謝しかありません。
川松 真一朗 東京都議会議員(墨田区選出、自由民主党)
1980年生まれ。墨田区立両国小中、都立両国高、日本大学を経てテレビ朝日にアナウンサーとして入社。スポーツ番組等を担当。2011年、テレビ朝日を退社し、2013年都議選で初当選(現在2期目)。オフィシャルサイト、Twitter「@kawamatsushin16」