講師として、人前で話す機会が数多くあります。10名程度の少人数のセミナーから、数千人の大規模な講演まで。また、30分の短い講演もあれば、数日間かけて続くセミナーもあります。
そんな風に、いつもは教える側ですが、今週からとある講座で、教える側から教えられる側になる機会がありました。
20人ほどが受講する比較的小規模なものでしたが、受講生として講師を見ると、自分のやっている講座の改善すべき点が見えてきます。
例えば、教材の体裁や説明の文言です。何年もやっていると当たり前に思ってしまうようなことであっても、初めて参加する人にとってはわからないことが多いのです。専門用語も、次々に出てくるとそれを必死にメモして、時間がある時にグーグル先生に教えてもらう。わかっている人には何ら問題のないことでも、未経験者にはかなりハードルが高かったりします。
また、講座の初回というのは周りに知らない人ばかりで、何とも落ち着かないものです。そんな受講生の心理状態を解放するような、アイスブレーキングも大切であることを知りました。講師が上手にファシリテートすることで、場の雰囲気が急に和み、教室が明るく活気づいてきます。
講義内容の伝え方にも工夫すれば更に効果的にできることを再確認しました。膨大な情報の中で何を教えるのか。その全体像を最初に示し、1つ1つを順番に説明していくことで、何の話をしているのかを常に理解してもらえるようになります。「全体からデティールへ」という流れが頭の中をスッキリと整理してくれます。
教える側から教えられる側に替わるだけで、見え方がまったく変わってくるのは新鮮でした。病気になった人の辛さを理解しようとしても、本当に病気にならなければ当事者の気持ちは理解できない。それとよく似ています。
講座自体の内容よりも、講座の裏にあるロジスティックスや、講師の話し方などに興味がいってしまう。一体、何のために参加したのかよくわからなくなってしまいましたが、次回からは、講義内容にもっと集中してせっかくの勉学の機会を活用するつもりです。
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編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2019年11月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。