この臨時国会で国民投票法の改正だけは終えた方がいい

写真AC:編集部

今の状況では、憲法改正の発議が出来るとはとても思えない。

自民党としては、憲法改正の発議は見送りすることにしました、などとは口が裂けても言えないだろうが、国会で碌に憲法改正の論議をしておらず、国民の間でも大して議論になっていないのだから、ここは無理をしない方がいい。

空回りをして、虚しくなるだけのことである。
中途半端な憲法議論と中途半端な憲法改正発議で、万一国民投票で否決されてしまったら、これまでの憲法調査会や憲法審査会の活動が無駄になってしまう。

やはり、安倍総理の改憲4項目の提出が拙速だったのだろう。
どなたがああいう知恵を出したのか分からないが、あの4項目の提示ですっかり憲法議論が矮小化してしまった。

何の理想も、何の魅力もない憲法改正論議に堕してしまったと言わざるを得ない。

そういう憲法改正4項目でも何とか国民の議論を喚起したいということで自民党の国会議員の皆さんはそれなりにシャカリキになっているようだが、実際にはどこでも大して議論は盛り上がっていないはずである。

最後の落としどころになるはずであった改憲4項目を最初から議論の対象にしようとしているのと同じことだから、これでは憲法議論に火が点くのは無理というもの。

どこかの段階で出直した方がいいはずだ。

まあ、折角の憲法審査会が何もしないというのはさすがに問題だろうだから、とりあえずは国民投票法の改正ぐらいは仕上げられたらどうだろうか。この程度のことなら、さして難しい議論はしなくても済むはずである。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2019年11月11日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。