園遊会や桜を見る会だが、これを機会にいまのような形では廃止すべきだと思う。
私は、園遊会を京都御所でやれないかということを検討するために細かく調べたことがあるのだが、まず、警備の甘さもひどいもので、事故が起きる前にやめたほうがいいと思っていた。
国会議員とか、外交団とか、特定の分野の功労者など互いに面識もある集団とか、勲章をもらった人とかならいいが、各界の人を集めているから、不審者が紛れてもブロックすることは非常に難しい。
園遊会は皇族方が皆さんお出ましなので、テロでもあったら、未成年者以外、皇族全滅になりかねない。また、園遊会、とくに和服を着る回(一回ごとらしい)が東宮時代の皇后陛下にとって非常につらい行事だとも聞いた。
また、屋外で和服のご婦人方が多いのも無理があって、雨の時も砂埃が舞うときもたいへんだ。
たいしたものではないものの、少し食べ物も出るが、なにもこんなときにいるまい。飲み物と乾き物くらいで十分だ。
政権の応援団的な人が多く呼ばれるのは、園遊会も桜を見る会も同じだ。そういう人がSNSで写真をばらまけば国民にいい印象を与えないのも当然だ。集合写真をカメラマンに撮らせばいいので参加者は撮影禁止にした方がいい。中国へ行くと訪問団と要人で集合写真を撮るが、その方式の方がいいのではないか。
また、やるとしても、酒食をただでというのは常に問題になりやすい。チャリティ込みで1万円か2万円くらい会費を取ればいいし、グッズも有料で販売すればよい。そもそも、地方から来る参加者は、高額の旅費を払っているのだから、そこに少し会費をのせてもなんということはない。
叙勲のときなど、会費をとって陛下隣席の豪華ディナーにしても誰も文句言うまい。そっちのほうが、よほど叙勲された人も喜ぶし、そこでチャリティでもすれば気前もよくなるはずだ。
八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授