知っトク解説:今回は“徴用工問題”

中田宏の取得解説。今回は「徴用工問題」について。

徴用工とは主に、第二次世界大戦中の1944年から1945年にかけて、日本国内で足りなかった労働力を埋めるために、国民徴用令によって動員された人のことを言います。当然、元々の日本人も多く含まれていますが、現在の日韓関係でさせている徴用工とは、当時日本の植民地だった朝鮮半島から来た日本国籍の朝鮮人労働者を指しています。

それがなぜ今問題になっているのかというと、韓国で韓国人徴用工の補償問題が提起されたからです。
日本政府は、1965年の日韓国交正常化のときに、韓国政府と請求権協定と経済協力協定を結びました。その中で、徴用工を含む日本から韓国への補償などは完全かつ最終的に解決されたと明記され、日韓両政府はこれまでにそれを履行してきました。

日本はこの協定に従って無償3億ドル、有償2億ドル、総額5億ドルの経済協力金を韓国に支払いました。韓国政府も徴用工に対する補償は韓国政府の責任としてきました。実際、韓国政府は、徴用の死亡者1人当たりに30万ウォンを支給しました。2005年に韓国国内でこの問題が蒸し返されそうになったときにも、当時の盧武鉉政権は韓国内で法的措置がとられているので、解決済みとしました。

ところが、日韓両政府がところが日韓両政府とともに解決済みとしてきたこの問題に対して、2018年10月、韓国の最高裁判所にあたる大法院が、ひっくり返すような判決を下しました。その判決内容はは、元徴用工らによる損害賠償請求で、1人につき1億ウォン、日本円で約1000万円の支払いを命じる判決でした。

仮に、徴用工に対する補償仮に、徴用工に対する補償が十分でないとするならば、元徴用工らは韓国政府に対して請求する性格のものです。国と国との間で、50年以上前に解決した問題を根底からひっくり返すとすれば、韓国は何も約束や協定や条約を結べない国ということになってしまいます。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2019年11月18日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。