アフガニスタンで農業指導などを行っていた中村哲医師が銃撃されました。氏は1984年にパキスタンでの活動を始め、その後、アフガンに活動拠点を移し、途上国の人が健康的な生活をするための活動を続けていました。誰でもなせる業ではありません。あまり知られていませんが、アフリカなどへき地で活動する日本人はいらっしゃいます。皆さん、命を懸けて仕事をしています。人間の大きさに圧倒されます。中村医師のご冥福をお祈りします。
では今週のつぶやきです。
高揚感なき株式市場
11月のアメリカ雇用統計は事前予想を大きく超える26.6万人増となりました。GMのストライキ解除による技術的押上げ効果があったとしても出来過ぎです。賃金は年率3.1%増と内容も文句なしです。株式市場はこれをはやして大きく上昇していますが、今一つ、何が上がるというテーマがないのが特徴です。
同じことは東京市場にもいえ、日経平均は23300円台でほぼ1か月の間、高値圏で張り付いています。多分ですが、掉尾の一振に向け、24000円台まで行けるとは見ていますが、踊りすぎないようにした方がいいかもしれません。
12月はお金に関して気持ちが緩むのは洋の東西を問いません。クリスマス時期や高額のボーナス支給を受けて浮足立つ傾向があります。ましてや来年はアメリカは大統領選挙の年でアノマリー的には株式市場は高くなります。日本はオリンピックがいよいよ開催され、ムードは絶好調になるでしょう。そんな時こそ、冷静沈着になれるかが勝負の分かれ目です。
世界初のアルツハイマー病の医薬品は生まれるか?
地味なニュースですが、業界では大きな注目を浴びています。世界の大手が大金をかけて開発に挑んできた認知症予防薬、特にその7割を占めるアルツハイマーに効く薬となれば着目しないわけにはいきません。
それを共同開発しているのがエーザイとアメリカのバイオジェンです。今週、アメリカの専門会議でその詳しい内容が明かされ、より話題となっています。来年にもアメリカ食品医薬局(FDA)からの判断が行われます。仮に承認となれば認知症の進行を20%程度遅くすることも可能とされます。ただ、多くの科学者から疑問の声が上がっているとも伝え聞いています。
認知症は以前、このブログでもご紹介したようにガンよりも恐ろしく、医薬的対策がほぼない世界です。そして加齢とともにそのリスクは高まります。ただ、個人的には薬に頼る前に予防的対策はあると考えています。それはある程度のプレッシャー(ストレス)をかけ続け、何かをやり続ける意思を持つことであります。
現代人はストレスがたまり過ぎ、と言いますがストレスは塩分と同じで溜めすぎもダメですが、ないのもダメなのです。高齢者は「やることがなくて」いう方もいます。何か、簡単なことでもいいのでやり続けることが予防につながると思います。
2019年ヒット商品番付
日経が発表する恒例のヒット商品番付。横綱にはラグビーとキャッシュレス。関脇には令和とタピオカが入ったのですが、実はそこから下の商品がほぼわからないのであります。天気の子、ドラクエウォーク、ウーバーイーツ、こだわり酒場のレモンサワー、ルックプラスバスタブクレンジング、スイッチライト、スクランブルスクェアー、バスチー、ハンディファン、鬼滅の刃。どれぐらいお判りでしょうか?
多分、その世界の人にはわかるけれど全年齢層で大ヒットというものがなかった象徴だと思います。ラグビーはイベント、キャッシュレスは決済方法であって商品ではありません。映画の天気の子、漫画の鬼滅の刃はランクインしましたが、音楽がらみが一つも入っていないのも特徴でしょう。注目された芸能人といえば米津玄師や活動休止が予定されている嵐はともかく、女性アイドル系は乱立でコアなファン層とのギャップが生まれています。
軽薄短小の時代と言われますが、それに個人主義と趣味の時代が組み合わさったような新しい世界でしょうか?誰でも知っているアレじゃないのです。それは逆に言えば選択肢が多くなり過ぎたともいえます。
お酒を選ぶにしてもあまりにも多い種類から選び抜くのはもはや面倒な時代になりました。どれでもいいや、ビールなら、と思わせていませんか?ここはいっそのこと、メーカー主導で2つに1つぐらいの究極の選択肢で絞らせてもいいのかもしれません。消費者はそこまで賢いわけではありません。選びきれない消費者を手助けするのもマーケティングではないでしょうか?
後記
北米はパーティーシーズン真っただ中。IT化がどれだけ進んでもやっぱり人と人のリアルの接点はワクワクドキドキするものです。久々にあった人に「どうしてたの?」と声をかければ長く会わなかったブランクもすぐ埋まるというもの。日本では間もなく忘年会のシーズンですね。ある意味、心が一番温まる時期でもあります。私も肝臓が悲鳴を上げない程度に楽しませてもらいます。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2019年12月7日の記事より転載させていただきました。